オーレリアンの庭 

我が家のバタフライガーデンをめざして(1)

 ミツバチやチョウに優しいガーデニング・記録 2018年 
 (1)我が家のバタフライガーデンをめざして ミツバチやチョウに優しいガーデニング・記録 2018年
  (2)バタフライガーデンを代表する花々(推薦)と、その花を訪れるチョウへつづく
(3)我が家のバタフライガーデンの蜜源として準備する花々へつづく
(4)我が家のバタフライガーデンの蜜源となる花々の維持
(その1) (その2) / (その3)へつづく
(関連リンク)我が家を訪れるチョウの仲間たち ・・・ 庭の訪問者(NO.1:蝶を主として) 
  「オーレリアン」とは「チョウが大好きな人」を表す言葉で、我が家の庭はその言葉どおりの庭だと思っているのだが、チョッと使いづらい理由があって差し控えていたものの、やはり思い切って使わせていただくことにした。というのも、自然写真家として有名な今村光彦氏が何十年もかけて作り上げた里山併設の自然邸宅が、某国営放送で「オーレリアンの庭」というタイトルでドキュメントとして放送されたことから、「オーレリアンの庭」という言葉のハードルがとてつもなく高くなってしまったからだ。そこでこれまで、我が家の庭を「バタフライガーデン」と呼ぶようにしていたが、本来の意味では「バタフライガーデン」よりむしろ「オーレリアンの庭」の方がピッタリと言えよう。
 
  最初にお話したように、定年後の新居には、洋ラン栽培用の温室2棟(3坪:最低温度10℃と、6坪:最低温度18℃)を建てるために比較的広い敷地を求めたので、庭としても十分な広さが確保されたことになる。そこで、もともと昆虫(特に蝶)が好きなことから、近所で飛び回っている蝶を全部集めてやろうと言うくらいの意気込み(冗談)でガーデニングに力を入れることにしたところ、花より団子 ・・・ いろいろな果樹を庭の周りに植えることになってしまい、さらには果樹の花のポリネーション効率を上げるために庭でミツバチを飼うことにもなった
  庭はイングリッシュガーデンを目指す・・・と言いたいところだが、これには自信もセンスもないし、ガサツな私には全く似合わない。しかし春花壇には、大好きなデルフィニウム、ルピナス、ジギタリス、カンパニュラを中心に、イングリッシュガーデンの主役となる素材を連作に注意しながら大量に植えることにし、その雰囲気だけでも楽しむことにしている。そしてさらには、果樹・花木を含めてチョウやミツバチが好む宿根草・一年草を集めることに努めている。ところが、この花の選別がむずかしい。ミツバチやチョウの蜜源としてどんな花が適切なのか、ほとんど情報がないからだ。海外の種苗会社が発行するカタログには、チョウやミツバチが好む花に印を付けるなどして、蜜源となる草花が推薦されているが、国内では、大手の種苗会社のカタログを含めて、このような案内が全く見られないのは残念だ。そこで私は、海外から入手したカタログを参照しながら国内の苗や種子を探したり、ときには海外から直輸入することにしている。ここは栃木県下野市 ・・・ 北関東(関東平野の北端)の平地に位置し、山からは遠い。山地性の珍しいチョウの来訪は期待できないが、ナガサキアゲハやアカボシゴマダラなどの南から北上するチョウの来訪は期待できるかも知れない。
  まずは、チョウやミツバチの来訪を意識して配置した我が家の果樹・花木・草花などを紹介しよう(下図)。庭のコンセプトとしては、主に落葉樹で構成された里山内部の日陰から太陽光の下に出た接点となる、いわば里山の側面を意識している。実際には、庭の周囲を果樹を主とした落葉樹で覆い、冬は陽当たりが良く、夏は家の周りが日陰となるように工夫している。暑い夏には、この日陰を色々なチョウが好んで飛翔するからだ。そして落葉樹の合間には陽だまりができるようにして、チョウやミツバチが好む花を欠かさないように心掛けている。リストの草花については、植えているものをすべてカバーしているわけではないが、おおよその状況がおわかりいただけよう。これまで、もっといろいろな草花の栽培を試みたが、我が家の環境に馴染まなかったのか、自然消滅していったものも少なくない。時間をかけながら、我が家の庭の環境に馴染む草花が選択されてきた。例えば、大好きなカンパニュラで庭をいっぱいにしようと、様々なカンパニュラを何度も庭に直植えしたが、大型小型種を問わずほとんどのカンパニュラの夏越しに失敗し、結果として期待通りの花を咲かせるのは2年草のメジウムだけであった。そしてようやく、今のような環境を達成するのに丸四年を要した。もちろん完成したわけでもなく、これからも改良を加えていくつもりだが、全体的な雰囲気としてはかなり満足できるものに近づいていると思っている。今では(2015年6月初旬)、晴れた日にガーデンテーブルの前に座って庭を眺めていると、まずチョウの姿が視野から消えることがない。モンシロチョウについて言えば、時期を迎えればいつでも10頭以上が乱舞する。あまりにも普通といえるモンシロチョウでも、庭の花を楽しみ・集う姿にはいつもながら癒されるものだ。通常見られるチョウにはモンシロチョウの他、ナミアゲハが多く、その他モンキチョウ、ヤマトシジミ、ルリシジミ、ジャコウアゲハなどがあげられる。梅雨に入ると庭の東側を埋めるブッドレアが開花し、ここには数・種類ともにびっくりするほど多くのチョウが訪れるようになる。ときには、驚くほど希少なチョウの訪問を受けることがあり、ほんとうに嬉しいかぎりだ。チョウの楽園とは言わないまでも、チョウミツバチが喜んでくれるような庭づくりに、これからも励むことにしよう。関連ページへリンク
 

 
 
 
果樹 (チョウやミツバチが好むと思われる) 蜜源としては不適切 (赤字)かも?
 a ビワ  b アンズ c キウィ   d ネクタリン 
 e サクランボ f ブドウ g 温州みかん  h ジュンベリー
 i ブルーベリー j ヤマモモ k リンゴ  l ナシ
  ポポー n モモ o カキ   ブラックベリー
             
        
チョウの食草にあたる草花・樹木などの植物 (果樹は除く)
 A  エノキ  B  カラスザンショウ C  ヘンルーダ  D  ウマノスズクサ
 E  ミツバ F  スミレ イタリアンパセリ  H  アシタバ
 I  ガガイモ  J  スイカズラ  ホトトギス K  スミレ(宿根野生種)
 L ニンジン M キャベツ コリアンダー(パクチー) O パセリ
  ミヤギノハギ 18  タニウツギ      
     
チョウやミツバチが好むと思われる 花木や草花 (宿根草と一年草) 
1   ミヤギノハギ  2  ブッドレア
アルテニフォリア
3  ブッドレア 4  ブッドレア・バズ
 5  モナルダ  6  エキナセア  7  タマクサギ  8  ヒデンス
 9  ヒャクニチソウ 10   アンセミス 11  デルフィニウム 12  ルピナス
 13  ジギタリス 14   リアトリス 15  スカビオサ  16  タナセタム
 17  カスミソウ 18   タニウツギ 19 西洋ダイコンソウ  20  ガーベラ
21  オステオスペルマム 22  ニーレンベルギア 23  ルドベキア  24  ハナウツギ
25  アガスターシュ 26  オミナエシ 27  チトニア  28 バーベナ
29 ヤマブキ 30 アリッサム
スノープリンセス
 31 アリッサム
サクサティレ
32  バーベナ
ボナリエンス
 33  ベロニカ 34   ヒマワリ  35   セージ  36  ルリタマアザミ
37 ウツギ(卯の花)            
我が家の訪問客(チョウ)  現在 49 種
時節ごとの変化・気がついたこと
 2018年度の記録(進行中)
春(3月〜6月梅雨前)に見られるチョウ
 3月15日、今年の最初のチョウはキタキチョウ
今年に入って最高気温を記録する暖かさ、いや、暑さ・・・かな。いよいよ、いつチョウが登場してもおかしくない天候に、真っ黄色のチョウが目に入ってきた。キタキチョウの雄で、翅もほとんど傷んでいない個体だ。例年ならモンシロチョウが飛び始めるのだが、注意して見ていても、その姿は見いだせなかった。
3月17日、モンシロチョウ初お目見え ケールやキャベツなど、畑のアブラナ科の作物を、急いでネットで覆わなくては・・・・。
3月18日、キアゲハ登場  チョッと早すぎるキアゲハの登場に驚いた。冬越ししたパセリやイタリアンパセリが豊富にあるので、食草には心配ないんだけど、まだチョイと寒いのでは。
3月20日、チョウで賑やかな庭と畑 あったかい晴れた日が続き、我が家の家庭菜園では冬越ししたコマツナの花が一斉に開花した・・・春爛漫。モンシロチョウが一挙に増えて、本当に賑やか。キタテハが4~5頭は飛び交う・・・この多さにはびっくり。数頭のキタキチョウも混じる。ベニシジミが1頭。嬉しい春がやってきたことを実感。
3月27日、アカボシゴマダラ幼虫の目覚め エノキの葉が綻びはじめるのに時を合わせるように、越冬を終えたアカボシゴマダラが木を登り始めたのを確認。この厳しい冬を無事に乗り越えたアカボシゴマダラが確認できて一安心だが、この冬を乗り越えられなかった幼虫も多かったに違いない。
4月21日、カラスアゲハの産卵を目撃
4月の中旬にもなると、様々なチョウが姿を見せ始める。ナミアゲハ、ヤマトシジミ、モンキチョウ、コミスジなどは頻繁に来訪するが、とうとうカラスアゲハがその美しい姿を見せ、庭の周りをせわしなく飛び回るも、まだ十分な大きさに成長していないカラスザンショウに産卵する行動を観察することができた。飛び去った後にその葉を観察すると、ナミアゲハの卵に比べるとかなり大きなカラスアゲハの卵を見出した。葉はまだまだ小さいが、寄生されないようにネットで覆うことにした。今後が楽しみだ。
5月 色々なチョウが出そろう
庭の花が咲き誇るにつれ、庭を訪れるチョウの種類と数が増えてきた。例年通りといえるのだが、コミスジやアサマイチモンジが産卵しはじめてライフサイクルを再開し始めたことが確認され、ものすごい数のジャコウアゲハの幼虫がウマノスズクサを食い漁っている。中旬になると、新たに誕生したと思われるキタテハが多くなり、キアゲハやナミアゲハなども新しい世代の個体が飛び回るようになった。いよいよチョウが活発になる時期がやってきたようだ。
6月初旬 梅雨入り前の晴天が続く
チやョウの蜜源には不可欠なブッドレアはまだ蕾のママだが、ブラックベリーやラベンダーの花が主な蜜源となってミツバチやチョウの訪問を受けている。6月4日、思わぬ珍客の訪問を受けた。5年前の夢のような体験を再び・・・クジャクチョウがやってきたのだ。異様な飛翔に、一瞬ヒオドシチョウかと思ったが、ブラックベリーの花に留まってその姿を確認した。 丁度カメラが手元にあったのだが、カメラを向けようとしたところで飛び去り、 残念ながら写真を撮ることができなかった。5年前は、真夏の飛来であったが、こんな時期にでももやって来るのかと驚いた。
6月中旬 梅雨の合間の晴天、真夏日のような暑さ
6月16日、庭の草抜きをしていると、マーガレットの小枝に留まった羽化したての カラスアゲハ(♂)を見つけた。蛹はカラスアゲハの直ぐ側で見つ けたが、ラッキーにも羽化したところで、今にも飛び立ちそうなところ。食草のカラスザンショウからは10mも離れたところで、蛹化のためにはこんなところまで徘徊してくるのだと関心した。
6月下旬、真夏日の改正に、たくさんのチョウがブッドレアに集合
6月の中下旬にはブッドレアが開花し始め、色々な種類チョウが続々とやってくるようになった。25・26日の真夏日には、今まで稀にしか目にしなかったアカタテハ、アオスジアゲハなどが目立つようになってきた。セセリチョウ、特に、イチモンジセセリが急速に密度を増してきたようだ。庭の木陰では、最近続々と誕生してきたたくさんのジャコウアゲハが飛び交っている。
6月30日テングチョウがやってきた
真夏のような日差しのもと、ブッドレアは千客万来。いつもにない数多くのチョウの訪来に嬉しい悲鳴。でも、そのほとんどがモンシロチョウの中、ポツポツと飛翔の異なるチョウが目につく。ツマグロヒョウモン、キタテハ、アカタテハ、ヒメアカタテハ、アサマイチモンジ、ジャコウアゲハ ・・・。その中で、一際目立つ小振りで濃色の俊敏に飛翔するチョウは・・・テングチョウだ。わが家には2015年以来2度目の来訪となるが、ようやくカメラに収めることができた。もちろん初めてで、とても嬉しい瞬間。
7月 ジャコウアゲハが乱舞
 毎年、ウマノスズクサが壊滅状態になるほどジャコウアゲハの幼虫が繁殖する。今年こそは健全な繁殖を達成しようと、かなり初期の段階からウマノスズクサに産み付けられた卵を間引いてきた。とても可愛そうなんだけど、幼虫に育ってしまうと処分はもっとつらくなる。ところが、見る見る幼虫は増え、ウマノスズクサは食べ尽くされていく。数十匹の幼虫は、公園や川の土手のウマノスズクサに放置することになった。なんとかききをのりこえたものの、6本ほどあった大きなウマノスズクサが1本を残してほとんど食べ尽くされてしまった。ジャコウアゲハは終令幼虫になると、ウマノスズクサの太い軸を噛切って、その軸を食べるようになる。ブッドレアには、相変わらず色々なチョウがやって来て、楽しませてくれる。まだ、極珍のお客様の姿は観察されていない。7月20日頃からいきなり35℃を超える猛暑・酷暑が続くようになった。ヒトもエアコンを効かせた屋内に閉じこもるようになり、庭にはチョウの姿をほとんど見られなくなった。朝夕の比較的涼しい時間帯にはジャコウアゲハが木陰を飛び回る姿が観察される。他のチョウたちは元気にしているのだろうか?
8月 驚異的な猛暑
7月から引き続いて驚異的な猛暑が続く。朝日が差し込むとともに気温は急上昇し、日が沈んでも30℃以下に下がるにはかなりの時間を要する。 今までなら、昼間でもカメラをぶら下げて頻繁に庭を回っていたが、今年は暑くて庭に出る気がしない。雨戸を締め切ったリビングで、エアコンを効かせて、只ひたすらに暑さを耐え忍んでいる。この暑さの中では、チョウの姿はかなり少ないようだ。暑い中を飛び回っているのはツマグロヒョウモン、アゲハチョウ、イチモンジセセリくらいだ。結果的に、この一月はチョウの観察がおざなりになってしまったようだ。

 
過去の記録
2017年度の記録(クリック)
2016年度の記録(クリック)
2015年度の記録(クリック)
越冬する姿が確認されたチョウとその形態
ジャコウアゲハ(蛹並アゲハ(蛹)、 クロアゲハ(蛹)カラスアゲハ(蛹)
ヤマトシジミ(蛹)モンシロチョウ(蛹)ルリシジミ(蛹)、 ミヤマカラスアゲハ(蛹)

アカボシゴマダラ(幼虫
  
 我が家のバタフライガーデンをめざして
(1)我が家のバタフライガーデンをめざして ミツバチやチョウに優しいガーデニング・記録 2018年 
 (2)バタフライガーデンを代表する花々(推薦)と、その花を訪れるチョウへつづく
(3)我が家のバタフライガーデンの蜜源として準備する花々へつづく
(4)我が家のバタフライガーデンの蜜源となる花々の維持
(その1)(その2)/(その3)へつづく
関連するリ ン ク
(その1)我が家を訪れるチョウの仲間たち ・・・ 庭の訪問者(NO.1:蝶を主として) 
      我が家の庭を訪れるチョウの仲間たち 現在 49 種 
(その2) 庭で観察した蝶の興味ある行動
(その3) 我が家の庭に棲み着いたチョウ(現在20種) 
 (その3-1) 庭に棲み着いたジャコウアゲハの生態
 (その3-2) (2-1)アカボシゴマダラの生態 我が家での生態観察と越冬幼虫の観察
(2-2)アカボシゴマダラの生態 夏型の生態観 
 (その3-3)  庭に棲み着いた並アゲハ、クロアゲハの生態
 (その3-4) 庭に棲み着いたキアゲハの生態
 (その3-5) 庭に棲み着いたカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、ナガサキアゲハの生態
 (その3-6) 庭に棲み着いたゴマダラチョウの生態
 (その3-7) 庭に棲み着いたその他のチョウの生態
モンシロチョウ、ルリシジミ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、ヤマトシジミ、キタキチョウ、
ツバメシジミ、ウラナミシジミ
アサマイチモンジ、スジグロチョウ、コミスジ
(その4)トラップいろいろ
(その5)幼虫の飼育便利グッズ
(その6)我が家を訪れるチョウの食草一覧(庭に自生・植栽している食草)
(その7)アゲハチョウの仲間 幼虫の比較
付録世界のバタフライガーデン
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下野市のチョウ

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