我が家の庭の訪問者(その3-2)

 我が家の庭に棲みついたチョウ
 (3-2) アカボシゴマダラ
 
 内   容 (リンク)
 (その3)     我が家の庭に棲み着いたチョウ
(3-1) ジャコウアゲハの生態
(3-2)アカボシゴマダラの生態
  (2-1)アカボシゴマダラの生態 我が家での生態観察と越冬幼虫の観察
  (2-2)アカボシゴマダラの生態 夏型の生態観察 
(3-3)並アゲハ、クロアゲハの生態  
(3-4)キアゲハの生態
(3-5)カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、ナガサキアゲハの生態

(3-6)ゴマダラチョウの生態  
(3-7)その他のチョウの生態

モンシロチョウ、ルリシジミ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、ヤマトシジミ、
キタキチョウ、ツバメシジミ、ウラナミシジミ、アサマイチモンジ、スジグロチョウ
コミスジ、ルリタテハ
(3-エクストラ)この幼虫は何?
 
 
 我が家の庭に棲み着いていることが確認されたアカボシゴマダラの生態を紹介する。この家に住んで5年目となるが、初年度から庭でアカボシゴマダラが確認された。下野市内では普通に発生していることを市の蝶愛好家の仲間から聞いていたが、実際にこの目で見ると、好ましくない外来の蝶であることを理解していても、個人的にはどこか嬉しいものがある。なぜなら、学生時代にアカボシゴマダラを求めて沖縄を何度も訪れていたからだ。庭で見たアカボシゴマダラはとても新鮮な、まるで生まれたばかりのように翅を輝かせた個体であったが、この時には、我が家の庭でアカボシゴマダラが発生しているとは想像もしていなかった。
 我が家の家には30cm〜2mくらいの数本のエノキが生垣と混生している。おそらく野鳥が落とした糞に含まれた種から成長したに違いない。実は、このエノキでアカボシゴマダラが発生していたことが、2015年の秋に、サナギの抜け殻を偶然に見つけたことから初めてわかったのだ。その後、ときおり庭のエノキを観察し続け、それまで全く気がつかなかったアカボシゴマダラの生態を観察することができるようになった。そこで、この12月からはじめた観察により明らかになってきたアカボシゴマダラの我が家の庭での生態について、時間の経過とともに記録しながらその情報を紹介することにしよう。
我が家におけるアカボシゴマダラの生態
2011年初夏、
我が家の庭で始めて観察したアカボシゴマダラ 
庭に自生するエノキで繁殖したと考えられるアカホシゴマダの羽化したての個体。美しい・・・。国内に持ち込まれた中国産のアカホシゴマダラが関東一円に広がったと聞いていたが、いよいよ我が家の庭でもその繁殖が認められた(希望的観測)。庭には数本のエノキが自生している。それ以外に新たに出てくる新しい子苗は、不要として処分するようにしている。残したエノキは剪定しながらも維持し、食草として保持したい。アカホシゴマダの繁殖については、生態学的には困った問題ではあるとされるが、蝶好きの私にはちょっと後ろめたいような嬉しさを感じている。なぜなら、若い頃、アカホシゴマダラの標本が欲しくて、わざわざ沖縄まで採集に行った思い出があるもの。
 
2015年5月中旬
庭でお茶を飲んでいると、いきなり目の前に、沖縄にいるマダラチョウのようなチョウが滑空する優雅な姿を見せた。一瞬ドキッとしたが、落ち着いてみると、アカボシゴマダラの春型であることに気がついた。後翅の赤い点がなく、夏型より一回り大きく感じた。写真を撮ろうとあちこち追い回したが、静止してくれず、残念ながら写真を撮ることはできなかった・・・本当に残念。あの、オオゴマダラを彷彿とさせる大型のアカホシゴマダラの写真 ・・・ 撮りたかったなあ。 
 2015年8月2日
カブトムシにより傷められたブドウ(デラウェア)では果汁が滴り、発酵してまるで樹液のような独特な匂いを発する。この匂いに誘われ、カブトムシやクワガタムシとともにやってきた 2頭のアカボシゴマダラ(写真下)。カブトムシの攻撃により傷められたブドウにがっかりしていたのだが、アカボシゴマダラさんが来てくれるなら ・・・ まあいいか。チョッと怒りが収まった。
 我が家の近くには適当なクヌギ林がないので、オオムラサキやゴマダラチョウなどの樹液を餌とするチョウの来訪は諦めていたのだが、ブドウの果汁に集まるならそれも良いだろう。 我が家のエノキで誕生することが確認されているアカボシゴマダラがこの庭に留まることができれば、ジャコウアゲハやカラスアゲハ(?)とともに我が家に住み着いた新たなチョウとなる。嬉しいですね。来年はすべてのブドウに袋をかけようと思っていたのだが、一部はそのままにして虫たちに解放することにしよう。ブドウやモモなどは、過熟するとこのようなタテハチョウの仲間の餌場となる可能性を認識した。オオムラサキも来てくれるかな?
2015年9月16日、地元に大きな被害を与えた台風17・18号による豪雨のあと、我が家には大きなダメージがなかったものの、強烈な雨に庭周りの木々が道路に覆いかぶさるようにように大きく垂れ・・・無残な姿に!。ご近所に迷惑にならないようにと、切り縮めることにした。  そしてついでに、大きく育ちすぎた木々も思い切って・・・。庭の東側、ビワの木の側で控えめに育っていたエノキが、今やビワの木を押分けるほどに。そこで、このエノキを中程でバッサリ。すると、小枝の葉裏からアカボシゴマダラの蛹の抜けガラを見つけた。ほら・・・、チャンと育っていたんだ。写真右は、寄生蜂(?)によって傷害を受けた蛹。でも、幼虫は見つからないんですよね ・・・ 不思議と。  
   
2015年冬 〜 2016年春 
2015年12月15日、 めっケッ ・・・・ !
庭の落ち葉を集めていたとき、偶然に目に留まった ・・・ アカボシゴマダラの幼虫。 12月の中旬だというのに、わずかに残ったエノキの緑の葉にへばり付いている ・・・ アカボシゴマダラの幼虫。夏季には、探しても探しても見つからなかった ・・・ アカボシゴマダラの幼虫。このエノキは上記のさなぎが見つかった木とは異なる。今年の冬は暖かいからであろうか、12月の中旬になっても緑色の体色のままで木の上に残っていた。サイズは4令幼虫になったばかりであろう。急いで越冬の準備をしてくださいね。また、来年お会いしましょう ・・・ アカボシゴマダラの幼虫さん。
12月21日、
このところ強烈な霜が降りる寒い日が続き、わずかに残っていたエノキの葉は一挙に褐色に変わった。そして、アカボシゴマダラの幼虫はどうしているだろうと探してみると、いました、いました・・・。でも、このわずかな時間(1週間ほど)で幼虫の体色は灰褐色に変わり、体の大きさも一回りも小さくなっている。そして木枝の色に擬態化した幼虫はその枝にピッタリとくっついている。さらに驚いたことに、こその近くには次から次へとたくさんの幼虫が見出された。10匹はいるだろうか。幹の太さは親指ほど、背丈はおよそ1.5mのさほど大きくないエノキの木なのだが、こんなにたくさんの幼虫がいただなんて全く気がつかなかったし、想像もしていなかった。幼虫は地面から30cm以内のくぼみや枝の分かれ目を好んで潜んでいるようだ。このまま越冬するのだろうか? それとも、もう少し時間をかけて木を降りて落ち葉裏に潜むのだろうか ・・・ 経過観察となる。
 
 
12月25日、
温かい小春日和の日差しを浴びながらアカボシゴマダラの越冬幼虫を観察した。そして、やはり幼虫(一部を確認)はエノキの基部に向かって移動していることを確認した。また、21日(上記)には見出せなかった緑色の幼虫を見つけた。この個体は、おそらく15日に見た幼虫(写真上)に違いない。やはり短時間で体色までは変化できなかったようだ。しかし、体の大きさはかなり小さくなっている。今後、体色がどのように変化していくか、観察するとにしよう。でも、上記写真の他の越冬幼虫をよく見ると、どこかわずかに緑色味を帯びているように見える。
2016年1月22日
たくさんの幼虫が観察された小さなエノキの幹をゆっくりと精査。前にも述べたように、木の幹で観察された幼虫の多くはその後場所を移動し、幹で見られる幼虫(移動していない)は2匹を残すのみとなった。今日は、幹の根元に重なる枯葉を一枚づつ裏返しながら観察してみると ・・・ いました! エノキの幹に極近い葉裏に2匹の幼虫が潜んでいるのを発見 ・・・ ひと安心。でも、この2匹はかなり大きさが違う。4令と3令? 共に4令で、片方は消耗してかなり縮んだ? いずれにせよ、春が来るまでもう一息 ・・・ がんばって欲しい。幹の上の居残り組みはその場所をまったく変えず、中には地面から1mほども高いところに定位しているものもいる。
2016年2月3日
冬らしい厳しい寒さが続い ていたが、久しぶりに朝から晴天となり、庭を観察しながら一回り。アカボシゴマダラの幼虫を観察したところ、木の上で越冬を続けていた幼虫は一匹残らず姿を消していた。このところの厳しい寒さに、とうとう地面に移動したようだ。結局、樹上で越冬を続ける幼虫は一匹もいなくなったことになる。
2016年3月24日、
久しぶりにエノキと越冬幼虫の観察を行った。既に一部の枝では新芽が吹き出し始めている(写真左下)。そして。その枝には幹を登り始めている幼虫が観察された。面白いことに、これらの幼虫は彼等が初冬に幹を下り始めた場所とまったく同じようなところに、同じような状態(写真右下)で静止していた。なるほど、この時期に越冬幼虫は活動を始めるようだ。
   
2016年4月6日
夜は冷え込みが厳しいものの、春らしい太陽が暖かい。エノキの葉も急激に大きく広がってきた。ほとんどの幼虫は木に登ったと思われるが、この時期にはいくら木の周りを精査しても、幼虫の姿は見られなくなった。昼間は木(葉)から離れたところに潜んでいるのだろう。鳥や寄生蜂に対する警戒なのかもしれない。 
  
2016年4月18日、
曇りながらも暖かい朝を迎えた。幼虫の状況を見に行くと、褐色の越冬幼虫が緑色に変色した姿を確認できた。食欲も旺盛になったようで、急速に成長している状況が確認できた。(写真下、左右)
   

2016年4月18日
 
2016年4月23日
 幼虫の中には既に秋冷幼虫に生長しているものも見受けられる。越冬を終えた幼虫の成長が、如何に早いかが容易に推察できる。このように、アカボシゴマダラの幼虫の生長が、刻々と身近で容易に観察できることは嬉しい。
   2016年4月25日、
写真上の終令幼虫が見当たらないことから周りを探ってみると、エノキに接しているフェンスの桟に美しく輝く蛹を見つけた。本年度、我が家で誕生するはずの最初のアカホシゴマダラとなるだろう。羽化が見られるように観察を続けたい。 




2016年4月26日、
昨日、蛹を見つけたこともあり、その周りで幼虫を探してみた。アカボシゴマダラの幼虫に慣れてきたのだろう。今まで、探しても探しても見つからなかった幼虫が、意外に容易に見つけ出すことができるようになったようだ。今朝見つけた3頭の幼虫は全て終令幼虫で、今にも蛹化しそうな大きなものばかり。意外に手前の、手の届くようなところで見つけ出されるのには驚く。越冬幼虫が冬の眠りから覚めて活動を初めてからおよそ1ケ月で待望の蛹になるようだ。
   
 2016年4月26日朝、
幼虫の観察をしていると、面白いことに気がついた。午前8時30〜45分ころ、これらの幼虫がほぼ同時に活動を開始し、おもむろに葉を食べ始めたのだ。お食事時間が決まっているのかな(不思議ですね)? 午後5時半ごろもお食事タイムのようだ。
 食事は貪欲で、耳をすませば葉をかじる音が聞こえてくる。9時頃には食事を終了し、ほぼ同じ場所に、上の写真のように静止した。
下の動画の再生▲をクリックしてください。



 


2016年5月2日、
上記の終令幼虫を毎日観察していたところ、2頭は4月30日に、もう1頭は5月2日に姿を消した。おそらく蛹化のために放浪に出たと思われるが、蛹の抜け殻がエノキの枝で見つかった(写真上)ことから、幼虫はさほど遠くには行かないことが予想される。しかし、少なくとも近くの枝や葉裏を精査したものの、その姿は全く見られなかった。しばらくはその姿を探し続けることにしよう。  
   
2016年5月6日(蛹化11日目)、 上記の蛹を毎日観察していた。 蛹化して11日目の今日、蛹の中が透けて見えるようになり、直ぐにでも羽化しそうな状況のようだ。午前10時頃、運悪く目を少し離したときに羽化を始めた。数分後に気がついたときには、既に殻 から抜け出た後であった。後翅に薄い赤紋が認められることから雄と思われる。
   
   
  約1時間後、翅は完全に伸び終えて硬くなったようだ。今日は、曇り空で、気温は少し低め。直ぐに飛び立って行きそうな状況とは思えない。このあと、フェンスをよじ登り、エノキの葉の裏に身を隠した。
 午後5時頃に見に行ってみると、その姿は見えなくなっていた。
 <越冬幼虫についての考察>
2mにも満たないエノキの木に、越冬を始める幼虫が10匹位いたことを確認している。これら全ては樹上で年明けし、最も気温が下がる翌年の2月を過ぎて三々五々木を下り、落ち葉の裏に潜んだ。これらは3月の下旬から木に戻り始めたものの、観察の結果から全てが年を越して戻ってきたとは思えない。また、越冬幼虫には大きさに差異があった。これらの結果から、アカボシゴマダラの幼虫は過酷な日本での冬を越すことを本能として遺伝子に組み込まれていないのではないかと思われる。アカボシゴマダラはもともと暖かい地域に分布しており、関東地方に棲息するアカボシゴマダラは中国広東からの個体といわれている。そのため、広東よりずっと寒い日本では、場当たりで越冬するため幼虫の大きさが一定ではなく、また、木(エノキ)を下る時期も決まってはいないのではないだろうか。その結果、越冬するための準備が必ずしも十分ではなく、多くの幼虫は越冬できなかったことが予想される。アカボシゴマダラは年を経るごとに増殖してその分布域を広げているようであるが、彼らにとって冬越しは決して楽なことではないと思われる。しかし、朝鮮半島では普通種として分布していることから、結果として寒さへの順応は可能であり、時間の経過と共にその分布をさらに北へ広げていくことが予想される
 2016年5月13日、
今日は朝から五月日和。眩く刺すような朝日が庭に満ちている。モーニングティーを啜りながら庭を散策していると、昨年と同じように大きなアカボシゴマダラが庭の木々の周りを滑空している姿に出くわした。おそらく、我が家の庭で誕生したアカボシゴマダラと思われる。今年こそはと、直ぐにカメラを手にその姿を追いかけると、ミツバチ巣箱近くの桃の木にぶら下げたスズメバチトラップに翅を止めた。そう言えば、今年のスズメバチのトラップにはたくさんのオオスズメバチ(越冬から目覚めた女王蜂)が掛かってうれしい悲鳴を上げているが、既に2頭のサトキマダラヒカゲがトラップに掛かって命を落としている姿を見て心を痛めている。そのトラップにアカボシゴマダラが惹かれているようなのだ。とても心配・・・何か良い方法がないのだろうか? まずは、トラップの口をガムテープで塞いで、アカボシゴマダラが入れないようにした。来年は口をもっと小さくすることにしよう。
   
 2016年5月13日、 ペットボトルのスズメバチトラップで蜜を求めるアカボシゴマダラ雌。
ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、オオムラサキなど、越冬して最初に誕生した個体は、いったい何の蜜を吸っているのだろう。明らかに、樹液の流出には、時期的に早すぎると思われる。
 2016年5月14日、 バナナトラップ
樹液吸蜜性のタテハチョウの仲間に給餌させることについて、愛チョウ仲間のU子さんにアドバイスを頂いた。元は川上洋一さんからの情報とのことで、20% の砂糖水にバナナを半分に折って漬け、暖かい場所で一昼夜放置する(ただし密閉厳禁)とのこと。ありがたくこのアドバイスに従って早速準備し、このトラップを設置した。少し変更したところは、小さじ一杯の日本酒を加えたことくらい。また、気温も高くなってきたので、一晩の醗酵を待たずに設置した。アカボシゴマダラやごマダラチョウが気に入ってくれれば嬉しいのだが

5月14日午前中
 
5月15日午前中(24時間後)
 2016年5月18日、
バナナトラップ
の常連さん、「アカボシゴマダラ」のオス。最近は、晴れた日の午前中には庭の樹木の間を優雅に滑空するアカボシゴマダラの姿を普通に見かけるようになった。庭でお食事ができるようになったからであろうか? これで、アカボシゴマダラが完璧に我が家に居ついてくれたことになろう。


 
 2016年5月16日、
エノキに止まる大きなアカボシゴマダラを見つけた。産卵に訪れたメスかと思い、産卵の瞬間を捉えようとしばらくその姿を凝視していたが、一向に動こうとはしない。この木は以前、越冬した幼虫が終令となって行方をくらましたところ。となると、この個体は、その幼虫から育ったものかも知れない。大きな大きなメスの個体 ・・・ !
 
2016年冬 〜 2017年春   
2017年4月4日、越冬幼虫の木登り発見
この冬の越冬幼虫はとても少ないように思われる。エノキを下ってゆく姿は、昨年に比べると極めて少なく、昨年11月下旬の寒波の到来などで、生き延びた幼虫はかなり少なくなったものと思われる。越冬幼虫が少なくなれば、春にエノキを上り初める幼虫の数も少なくなるのは当然で、昨年と同じ3月24日に発見された幼虫はわずか1匹であった。写真の幼虫は4月4日に撮影したもので、この約10日間、同じ位置のとどまっていた。
この幼虫は、さらに一週間を経て皮膚の下に斜めの筋が透けて見えるよう(写真左下)になり、脱皮してグリーンの終令幼虫(写真右下)になる。越冬終礼幼虫は背部が赤く、エノキの早春の枝葉の色に擬態しているといわれている。
  
  
越冬幼虫の擬態
上記のように、越冬した幼虫は春に木に登ってまず初めにすることは、脱皮して緑色の終令幼虫になること。この幼虫は、夏型の幼虫とは異なり、背部は赤みを帯び、側面には淡緑色と濃緑色のスジ状の模様が明確に現れている。これは、食草エノキの早春新葉は赤みを帯びた淡褐色を示すことから、アカボシゴマダラの幼虫はこの新葉に擬態していると言われている。
 
少し赤みを帯びたエノキの新葉

エノキの新葉の色彩に似せた幼虫の色模様 
2017年5月16日、いまだ越冬を完了できない幼虫
春も盛りを越えた頃、越冬幼虫のほとんどは既に蛹化していると思われ、幼虫はエノキから姿を消した。ところが中には、未だに越冬幼虫から目覚めておらず、エノキの樹上で越冬幼虫のままの様相で静止している個体も見受けられる。これから終令幼虫に脱皮して成長を続けるのだろうが、これほど他の幼虫に遅れることに何の意味があるのだろうか? 
未だに越冬から目覚められない幼虫(写真右:5月16日)
2017年12月1日、ほとんどの幼虫は越冬準備完了
今年は寒くなるのがかなり早いものの、昨年ほど冠雪を経験するほどには急激な変化は見られなかったことから、アカボシゴマダラの幼虫は順調に冬越しの準備を進めていたようだ。11月の中下旬には褐色に肌の色を変えた越冬幼虫は、ゆっくりと枝を下り始めているのを観察した。ところが、例外と言えるかもしれないが、脱皮したばかりの3令幼虫が肌の色も変えずに木肌にへばりついているのを見つけた。あまりにも遅れた成長に、寒さは待ってくれないようで、この幼虫は冬を越せないだろうな。
 
  (2-2)アカボシゴマダラの生態 夏型の生態観察 へつづく 
 内   容 (リンク)
(その1) 我が家の庭を訪れるチョウたち 現在49種
 (その2) 庭で観察した蝶の興味ある行動 
  (その3)     我が家の庭に棲み着いたチョウ
(1) ジャコウアゲハの生態
(2)アカボシゴマダラの生態
  (2-1)アカボシゴマダラの生態 我が家での生態観察と越冬幼虫の観察
  (2-2)アカボシゴマダラの生態 夏型の生態観察 
(3-3)並アゲハ、クロアゲハの生態  
(3-4)キアゲハの生態

(3-5)カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、ナガサキアゲハの生態

(3-6)ゴマダラチョウの生態  

(3-7)その他のチョウの生態

モンシロチョウ、ルリシジミ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、
ヤマトシジミ、キタキチョウ、ツバメシジミ、ウラナミシジミ、アサマイチモンジ
、コミスジ、ルリタテハ 
(3-エクストラ)この幼虫は何?
 
  (その4) トラップいろいろ
(その5) 幼虫の飼育便利グッズ
 (その6) 我が家を訪れるチョウの食草一覧(庭に自生・植栽している食草)
 (その7)  アゲハチョウの仲間 幼虫の比較
 別項目 我が家のバタフライガーデンをめざして
   バタフライガーデンを代表する花々(推薦)と、その花を訪れるチョウ
 付録 世界のバタフラーガーデン
  下野市で見られるチョウ
 
 我が家のバタフライガーデンをめざして
   ミツバチやチョウに優しいガーデニング
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