我が家の西洋ミツバチ飼育奮闘記 (5)

 ミツバチやチョウに優しいガーデニング 
2017年夏(7月) 〜 2018年夏(6月)まで 
2017年7月5日、2度目の採密 
つゆの雨と曇天が続く毎日、さらに、昨夜には台風3号が南関東を足早に通り過ぎるなどの不安定な天候に、今朝ばかりは台風一過の約束された晴天が訪れた。しかし、この晴天も夕方までも持たないとのこと。また、明日からは曇天が続くという天気予報で、先月の内検で判断したA群の採密は今日しかない・・・と判断。朝食を急いで済ませ、早速、採密に取りかかった。これから花蜜の少ない季節に突入することから、採密は控えめにと思い、結局、たっぷりと貯蜜された巣脾 1.5枚から採密することにした。作業は順調に進み、およそ1時間ほどで900mlビンに2本と、450mlビンに1本のハチミツを採種できた。
2017年7月25日、特に変化ナシ
梅雨明けが宣言されてから数日が経過し、蒸し暑い日が続く。ミツバチについては特に変化はなく、順調に進んでいるようだ。内検はしていないが、8月に入ったら内検して貯蜜量を確認し、必要に応じて給餌を行うことにしよう。今年はA群、B群ともになかなか良い状況のようだ。
2017年8月7日、ミツバチも暑さに閉口
複雑な天候が続いていたが、ようやく夏らしい日差しを感じるようになった・・・暑い。ミツバチも暑さを感じているようで、夜明けと共に採密に出かけるようだが、気温が極端に上がってくるお昼前には帰巣し、巣門の前に群れて日差しを避けているようだ。
内険すると、貯蜜は比較的あるものの、夏の渇蜜期で今後が不安。そろそろ、給餌の準備をしなくては。

今年のトピックスとして、苗を植えて6年を経過したカラスザンショウが花をつけた。チョウの食草として植栽したものだが、渇蜜期の8月に盛りだくさんの花を咲かせることから、ミツバチとっては夏の蜜源として貴重な存在となるといわれている。果たして、毎朝、騒がしいほどの羽音をたててたくさんのミツバチが世話しなく吸蜜する姿を目にして嬉しい。しかし、花蜜が極端に減少する時期なので、例年通り砂糖水と代用花粉を与えることにした。
砂糖水(砂糖:水 =1Kg:660ml)
代用花粉(乾燥酵母:上白糖:熱湯 = 50g:50g:20ml)

カラスザンショウの花

ミツバチが群れて吸蜜する
2017年8月7日、スズメバチが目立つようになってきた
最近、スッキリとしない天気が続くが、ミツバチは勤勉に集密に出かける。また、近頃目立つのは門前を飛び交うキイロスズメバチの姿。見かける度に捕虫網で捕えて処分する。春にトラップを仕掛けた結果からか、オオスズメバチは全く見ない。時々、コガタスズメバチが現れる程度。しかし、気を緩めず、警戒を続けるようにしなくては。
2017年10月3日、栃木県県南家畜保健衛生所による腐蛆病検査
この2ケ月の間、マメにキイロスズメバチの捕獲を続けていたが、暑いこともあり、つい内検をサボっていた。腐蛆病検査に検査官が来られるまでには内検をしようと思っていたのだが、実際には検査官とともに2ケ月ぶりの内検となった。ミツバチはいたって元気で、上段の箱にも満ち満ちていた。上段には、蜜はそこそこ溜まっているようで、まずは一安心。結果として腐蛆病の兆候は見られず、検査は無事にパス。2群(A/B)の巣箱は、とても良い状態であることが確認された。実はミツバチを飼いはじめてから、2つの巣箱がこんなに良い状態で冬を迎えられるのは初めてで、とても嬉しい。今月中には、冬に向けて、もう一度給餌する必要があろう。
2017年10月13日、夏のち冬
昨日まで、気温が30度にまで上がる辛い夏日が続いていたものの、今日から気候は一転、最高気温が15度にも及ばない寒い日が1週間以上続くという。確かに、昨晩から冷たい小雨が降り続き、ミツバチは巣箱の中へ引っ込んでしまったようだ。しかし、入りきれないのか?・・・ 巣門には10〜20匹の見張り番役の蜂がもぞもぞとうごめいている。コリャあ、この一週間はミツバチたちの活動が抑えられ、十分な採密は難しくなるだろうな。晴れたら、すぐに給餌することにしよう。
2017年10月16日、内検 給餌はしないことに
晴れた朝、内検を実行。A・B群ともにとても元気で強群に成長し、上段は驚くほどの数のミツバチでごった返し。巣箱にガチガチに固まった巣脾枠を、力いっぱいで剥がして引き上げると、両面ともにミツバチがびっしりでかなり重い。半分以上の巣脾にはかなりの量の蜜が貯蔵されている。半分ほどが有蓋になっている巣脾枠が数枚と、光輝く蜜がたっぷり・・・。そこで、貯蜜は十分と判断し、秋の給餌は行わないことにした。上下段ともに、これほどたくさんの・・・いやいや、すでにかなりの数のミツバチが採密に外出していると思われる・・・ミツバチがいると、内検も容易ではない。やはり怖いですよ・・・本音は。週に一度は、ちょっと出来ないですね・・・怖くて。
2017年11月15日、大規模な時騒ぎ
小春日和の暖かいお昼頃、かなり激しい羽音が聞こえてきた。急いで巣箱に行ってみると、まるで分蜂を思わせるほどの激しく大規模な時騒ぎが展開していた。時騒ぎは1時間足らずで終了したが、本当に分蜂ではないかと・・・緊張した。こんなに秋が深まっても、働きバチが大量に生まれてくるものだと感心。冬越しのための働きバチだろうか? これほど多くの働きバチが生まれてくると、餌となる貯蜜が心配になる。給餌する必要があるだろうか・・・?
2017年11月20日、
いきなりだが、巣門にたくさんの比較的若い幼虫の死骸が放り出されているのに気付いた。貯蜜の現象だろうか?内検したうえで、砂糖水を給餌することにしよう。

2017年11月22日、
砂糖水を与えることにより、予想通り、巣箱は正常に戻った。今回は、代用花粉は与えなかった。

巣門には若い幼虫の死骸がたくさん
2017年12月3日、冬ごもりの準備 今年の冬は大変!
いよいよ寒くなってきたので、例年通り、冬ごもりの順位を始めることにした。巣箱のまま放置していても冬越しは可能であることを確認しているが、良いコンディションで春に向かいたいので、冬越しには手をかけることにしている。そこで、予め11月30日に内検すると、A・B群ともに想像以上の強群となっており、簡単には巣箱の中を介入できない状態であることが分かった。午前中の採蜜に出かけている時間であるにもかかわらず、A群は下段のみならず上段の全ての巣脾枠がハチでびっしりと満たされ、一方、B群の上段はおよそ半分くらいがハチで満たされいる状態であった。ネット検索での指南では、2段組の巣箱でミツバチを飼育している場合には、冬に向かってミツバチが少なくなっていくので、順次上段の巣脾枠を減らしながら規模を縮小し、最終的に、下段のみにするとのこと。我が家の防寒箱は一段用に作っているので、何とか一段に縮小しなくてはならない。そこで、まずB群の上段の巣脾枠(7枚)を3枚にまで減らすことにした。煙でミツバチをおとなしくさせてから巣脾枠を振ってハチを落とし、残ったハチを刷毛で掻き落とした。しかし、帰って来るミツバチも相まって巣箱は大騒ぎになり、ミツバチは分蜂のように巣箱の周りを飛び回る。私は、このものすごい群れの中にいる状態で、怖くなるほど。なんとか、巣脾枠を3枚にして、空いた空間を丸めた麻袋で埋めた。A群は・・・手の付けようがない。考えた挙句、縮小することが不可能と判断されるA群は、2段組のままで越冬させる(写真下の右)ことに、B群は、もう一息頑張って縮小し、防寒箱に入れて越冬させる(写真下の左)ことにした。
12月3日、越冬の準備c
いよいよ上段のミツバチを下段に移すことにする。前回のミツバチの群舞には懲りたので、この日はミツバチが寒くて動けない早朝に開始した。前日に組み立てた防寒箱に新たな巣箱を組み込み、所定の位置に置いて中の巣脾枠のみをこの巣箱に移した。防寒用のもみ殻や稲藁を隙間に詰め込み、蓋をして完了。
A群は、3方を稲わらで囲い、その周りをビニールで覆ってマイカー線でくくって固定した(写真下)。

4方にパイプを打ち込む

パイプに合わせて稲藁を積み、ビニールで覆う

藁とビニールはマイカー線で縛って固定

B群はなんとか防寒箱に収めた
2018年1月1日、元気に新年を迎える
風もなく、とても暖かい穏やかな元旦となった。庭に出ると、けたたましいほどのミツバチの羽音が聞こえてきた。その羽音にひかれ巣箱に向かうと、驚くほどだたくさんのミツバチが時騒ぎを見せていた。とくにB群は防寒箱に保護されているからであろうか、ものすごい数の迫力で、一方、B群よりはるかに強群のはずのA群はさほどの規模ではなかった。結果的には、どのような状態で春を迎えることができるかで評価が異なることになるが、現状では防寒箱の有効性が際立っているように見える。巣門の前には目立つほどの死骸、特に幼虫の死骸は全く見られず、ここまでは順調に冬越しが続いているようだ。

激しい時騒ぎを見せるB群

小規模の時騒ぎを見せるA群
2018年1月23日、大雪に耐える
1月22日は午後から大雪になることが天気予報で伝えられ、あわててその準備を行った。果たして、午後早々から雪は降り始め、日が暮れるころには20cmにも達するほど積もり、翌23日は晴れたものの一晩で30cm近くの積雪となった。対策を立てていなかったら巣箱も雪で埋もれることであったろうが、無事にその難を逃れたようだ。寒くてミツバチは活動していないが、雪除けの隙間から影響を受けていない巣門が伺える。

30cmにも及びそうな積雪で埋もれそうな巣箱(写真右)。
 
雪よけで難を逃れた A群

雪よけで難を逃れた B群
2018年2月6日、晴れるも寒波による低温が続く
午前中は太陽の日を浴びるが、午後になると薄曇りとなり、気温が一挙に低下してくる。例年ならば既に梅が開花し、春に向けての給餌を開始する時期なのだが、今年はその期を逸しているようだ。ご近所の梅の木を観察すると、蕾は膨らみ、ぽつぽつと蕾がほころび始めているようだ。そこで、少々低温が気になるとこrだが、思い切って給餌することにした。給餌は砂糖水(砂糖 1Kg :温水 600ml)だけにした。B群にはプラスチックの外付け給餌器を用い、A群には巣箱内の給餌器を用いた。女王バチの活動と産卵を促すこと期待したい。
2018年3月4日、ポカポカ天気
爆弾低気圧の通過後、まさに春らしいポカポカ天気が続く。梅の花も満開になり、それに合わせたようにミツバチの活動が本格化してきたようだ。お昼前には、分蜂を思わせるほどの大規模な時騒ぎが観察される。ここでも、A群とB群の差が大きく見られた。やはり、A群のような簡易タイプの越冬の方がミツバチには適切なのだろうか?

大規模な時騒ぎ・・・A群

元気に活動するB群のミツバチ
2018年3月4日、ポカポカ天気で内検
汗ばむ陽気で、ミツバチの巣門前は時騒ぎでごった返し。余りにも激しいので分蜂を懸念し、分封を少し落ち着てきた午後、内検を行った。幸い王台は見当たらなかったが、大きめの突出した有蓋の巣が目立って並んで見られることから、近々たくさんの雄バチが出てくることが予想される。分蜂するのは雄バチが出てからだろうから、王台ができていないのは当然か? 
もう十分に暖かいと思われることから、A群では防寒用の稲藁を取り外し、B群では防寒箱は蓋を外して上段に巣箱を増設した。
2018年3月12日、ポカポカ天気で防寒箱の分解
いよいよ春らしくなり、ミツバチは吸蜜に忙しく働いている。晴天の朝には、巣門がびっしょりと濡れ、巣箱の中はかなり蒸しているようだ。そこでさっそく、防寒箱を分解して冬仕様を取り払うことにした。

2018年3月16日、巣門に群れ・・・A群
晴れると気温は上昇するものの、まだまだ朝夕は冷える。寒い朝にもかかわらず、巣門ではミツバチが群れ、異様な状況(写真右)。まさか、分蜂も近いかと・・・あわてて内検すると、雄バチはまだ生まれておらず一安心。でも、そろそろ気を付けなくてはならない時期といえよう。今年の分蜂は早いかな?
2018年4月9日、早すぎる分蜂・・・A群
家族で一泊旅行に出かけた合間、大きく増殖していたA群が分蜂したようだ。帰宅すると、ご近所の方から「ものすごく大きなミツバチの一群が低く、トラックの窓にぶつかりながら飛んで行った。」との話を伺った。この群は我が家の庭の方から飛んできたとのことで、あわてて確認すると、A群の巣門は今までのようには賑やかな状態ではなかった。間違いなく、A群が分蜂したようだ。 残念だけど・・・しかたがないなァ。
2018年4月17日、巣門は再び賑やかに・・・A群
分蜂後、しばらく巣門は寂しい状態であったが、日を追うごとに賑やかになり始め、毎日お昼ごろには大規模な時騒ぎが見られるようになった。さほど遠くないうちに、再度分封する可能性がある。早急に内検することにしよう。 
2018年4月18日、いきなり分蜂(A群2度目)
お昼ごろ、巣門には
2018年4月19日、前日に続き再び分蜂(A群3度目) 
 2018年4月21日、A群がまたまた分蜂(4度目)
信じられないことに、A群が4度目の分蜂を始めた(写真右)。もういい加減に終了してほしいのだが、容赦なく分蜂を続ける。大きく空に広がったとても大きな分蜂群(写真左下)は、またまた畑南側の柘植の木に分蜂塊を作った(写真右下)。実はこの場所は、この冬、柘植の木を剪定したときに、ミツバチが分蜂塊を作りやすいように庇(ひさし)状に切りそろえたところ。この場はとても気に入られたようで、お隣のミツバチの分蜂を含めて、頻繁に利用されている。
今回の分蜂で驚いたことは、分蜂群に少なくとも4匹の女王バチが見いだされたことで、この分蜂群の今後が注目される。

空に大きく広がる分蜂群

柘植の庇に塊を作ったミツバチ分蜂群
2018年5月 B群も次々に分蜂
春になっても比較的おとなしかったB群のミツバチは、短期間のうちに断続的に分蜂を続けた。B群もA群と同じ4度・・・そして静かになった。今年もA/B群とも派手に分蜂をしたもんだ。これからはせっせと蜜を集めて来て頂戴ね。
2018年5月18日、スズメバチトラップを仕掛ける
このところちょくちょくスズメバチの姿を見かけるようになったことから、例年通りトラップを準備して庭の2か所にぶら下げた
2018年5月19日、スズメバチが2匹・・・早速かかった
早速スズメバチが2匹かかった。サイズから判断して、コガタスズメバチと思われる。毎年このトラップを掛けることにより、昨年の秋にはオオスズメバチの姿は全く見られなかった。こんな単純な操作から大きな効果が得られることがうれしい。
 
2018年夏(6月中旬) 〜 2019年夏まで(NO.6)へつづく
我が家の西洋ミツバチ飼育奮闘記
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2015年夏(6月中旬) 〜 2016年夏まで(NO.2)へもどる
2016年夏(6月中旬) 〜 2017年夏まで@(NO.3)へもどる
2016年夏(6月中旬) 〜 2017年夏までA(NO.4)へもどる 
2018年夏(6月)     〜 2019年夏まで(NO.6)へつづく
2019年夏(6月)     〜 2020年夏まで(NO.7)へつづく
関連サイト
ミツバチの蜜源
   (1-1) ミツバチの好む花 その1、 その2
   (1-2)ミツバチの好む花(草花) ヨーロッパの種苗会社のリストから抜粋
   (1-3)ミツバチが好む花(花木やツタ性の花)ヨーロッパの種苗会社のリストから抜粋
   (2)ミツバチの果樹への貢献(ポリネータとして) 
総括・雑感(飼育へのヒント)  ・・・ 冬越しについての総括
飼育に用いる器具・用具についてのコメント

ミツバチ飼育における通常作業のまとめ 
 
我が家のバタフライガーデンをめざして  ミツバチやチョウに優しいガーデニング
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