我が家の西洋ミツバチ飼育奮闘記

 総括・雑感(飼育へのヒント) 
 
(1)冬越しについての総括 (初心者による感想なので、その点をご理解ください)
 冬越しについて、以下の結果は、北関東(栃木県南部に位置する下野市)の平地、温暖地と寒冷地の境界地域で得られたものである。ここでは、真冬には氷点下になる日が続くのは日常で、最低気温がマイナス7〜8度に下がる日が何日も続くことがある。

 いろいろなサイトを参考にすると、冬越しをするにはかなりの量(ミツバチが溢れた巣牌枠5枚以上など)のミツバチが必要であることが書かれている。従って、不十分量の3枚群から飼育を始めた時には、冬までにそこまで殖やすことができるか? また、殖えたとしても越冬させるには貯蜜巣牌枠を含めて7枚群で量的に十分か? さらに、たとえ冬越しできても来春の増殖へスムースに移行できるか? など、いろいろな疑問を抱いていた。言葉を換えれば、初心者の私に、サイトなどのどこにも紹介されていない7枚巣箱での冬越しが可能であるかどうか?という疑問に尽きることになる。しかし、1年を経て(2015年8月)これらの問題を総括すると、その心配は全く杞憂であったことを確信した。
 例えば、冬越しには、ある程度の保温(防寒箱)とダニ(ヘギイタダニ)対策さえしておれば、巣牌枠3枚群もあれば越冬できることを確認している。この結果は、イチゴ生産農家でイチゴハウスに使用されることなく飼育されているたくさんの余剰予備群(例年なら全て廃棄。すべて7枚用巣箱で、おもしろいほど個々の飼育条件が異なる)をひと冬のあいだ観察することにより確認したものである。ちなみに、これらの余剰予備軍・合計7群は、ひとつ残らず冬越しに成功した。さらに、うち2群は、イチゴハウスに入れた群の勢力低下に伴い、12月下旬に交換応援群として用いられた。そして、勢力低下でハウスから持ちだされた群は、ほぼ絶滅した。この群は、フルバリネート剤で処理した時におびただしい量のヘギイタダニが見出されたものの、典型的な強群だったことからハウスに持ち込まれたが、その後、勢力が激減していった。

冬越しについて特に注意する点を挙げると、
(1) ヘギイタダニを十分に処理する。

 まず、最も大切なことは、ダニ対策(ミツバチが健康な状態であること)であると信じている。いかにもダニの被害を受けていないように見える群ですら、フルバリネート剤(アピスタン)で処理すると、驚くほど多くのダニの死骸が見られることがあるのに驚く。フルバリネート剤で処理した巣箱と処理していない巣箱、また、たとえフルバリネート剤で処理しても既に(越冬に入る前に)大量のダニに犯されているような群の巣箱について、それぞれの冬越しを観察すると、その結果における違いが明白に現れた。一見強群に見えても、ダニに激しく犯された群(フルバリネート剤処理で驚くほど多くのダニの死骸が回収された群)は滅亡に向かっていくのが普通で、これを助けるのは別の問題となり、ミツバチ飼育のテクニックの一つ(私はまだ経験・取得していない)といえよう。一方、巣牌枠3枚以下の、いかにも消滅しそうな弱群でも、健全な群は無事に冬越しを成功させた。しかしこのような群は、春になっても増殖になかなか弾みがつかないことから、勢いよく増殖させることができるかどうかは飼い主の腕の見せどころ(これもテクニックの一つ)となる。

(2) 防寒対策
 次に、防寒については、
健全な群なら裸の巣箱をそのまま放置しても問題はなさそうだが、できれば確実に防寒する方が良いと思われる。コンパネと発泡スチロール(30mm)で周りを覆う渡辺式越冬防寒箱渡辺式越冬箱の作り方)を用いた場合、極めて健全な状態で越冬でき、早春からの迅速な増殖を容易に目論むことができる。この時、ミツバチは真冬でも活発な活動を続けることを既に紹介している。2014〜2015年の冬に、いちご生産農家で飼育されている西洋ミツバチの群を、@コンパネと発泡スチロールで2重に覆った渡辺式越冬防寒箱を用いた(これは我が家の群)、A木板の防寒箱を用いた、B発泡スチロールの防寒箱を用いた、C毛布でくるんだ、D何も冬越しの処置をしなかった・・・巣箱で越冬させた様子を観察した。最初の三者(@〜B)では防寒箱と巣箱の間を稲わらと籾殻を詰めて防寒材とした。また、いずれの巣箱も、朝から夕方まで太陽光がよく当たる場所に配置されている。その結果、原則的に健全な群では防寒の方法を問わず越冬させることができた。どれほど情況よく冬越しができるかどうかは、群の健康状態と防寒の程度とを組み合わせた結果となる。しかし繰り返しになるが、健全な群では防寒の方法を問わず越冬することができるといえるだろう。その結果として、防寒方法を問わず意外にも容易に冬越しができたことに、我ながら驚いた次第である。いや、越冬の成功は単純に飼育者の技術によるものではなく、健全な自然のなりゆき・法則と言え、そのミツバチの環境適応についての底力を実感し、人工的な環境のなかでミツバチを健全な状態で育てる難しさを感じた。

@コンパネと発泡スチロールで周りを覆う渡辺式越冬防寒箱 (2015年2月初旬) A木板の防寒箱(2015年1月中旬)
B発泡スチロールの防寒箱 
(2015年1月中旬)
C毛布で包んだ巣箱
(2015年1月中旬)
  ABの防寒箱の上部には塩ビの波板で雨よけをして
いるが、木板と発泡スチロールの防寒箱の屋根部
(上部)は抜けている。防寒箱の中に巣箱を入れ
防寒箱と巣箱の間には稲藁と籾殻をつめ、巣箱の
上部と波板の間には稲藁を挟んだ。巣箱の上蓋は
付けたままで、巣箱からの熱や湿気が防寒箱と波
板との間から抜けるようにした。

一方、@渡辺式防寒箱では巣箱の上蓋を外して麻
布と稲藁を挟み、巣箱の上蓋の代わりに防寒箱の
上蓋を取り付けている。渡辺式防寒箱の側面と上
蓋には、通気孔として直径約3cmの穴を連ねて開け
ている(組み立ての実際は、2015年に記録した
ので報告する
)
 D何も冬越しの処置をしなかった巣箱
(2015年1月中旬)

(3) 十分な貯蜜
 さらに、おそらくであるが、越冬用の適切な貯蜜は必要であろう。これには秋口の渇蜜期に給餌して、
越冬前に貯蜜が確実にできているかどうかを確認する必要がある。多くのサイトでは、10枚群で少なくとも2枚の貯蜜巣枠が必要と紹介されているが、初心者の私には最低必要量は解らない。特に、7枚巣箱についての解説は全く見当たらないので、手探りで飼育している私には今のところ手に負えない問題と言える。昨年(2014〜2015年)の冬では、両外側2枚の貯蜜巣枠(全面貯蜜とまではいかない)を含むほぼ7枚全てにミツバチが溢れた状態で冬を越した。この時、給餌器は入れられなかったので、春早々に継箱を重ねて増殖空間の増幅を図った。どうなることかと不安であったが、うまく乗り切ったようだ。
参照:2016年11月26日の記録で紹介したように、不十分な貯蜜が原因と思われる若いミツバチが大量に死亡するという現象が起こった。そこで、1リットルのハチミツ(6月に収穫したもの)を返すことにより、10日ほど続いた異常事態が見事に回復した。その後、2017年1月28日まで異常なく、元気な蜜蜂の姿を確認している。この経験から、冬越しには少なくとも1リットルの貯蜜が必要であることが解った。言葉をかえれば、蜂蜜が1リットルあれば冬越しできる・・・と言うことになろう。
関連サイト
我が家の西洋ミツバチ飼育奮闘記
2014年夏(6月中旬) 〜 2015年夏まで(NO.1)へもどる
2015年夏(6月中旬) 〜 2016年夏まで(NO.2)へもどる
2016年夏(6月中旬) 〜 2017年夏まで@(NO.3)へもどる
2016年夏(6月中旬) 〜 2017年夏までA(NO.4)へもどる
2017年夏(7月)     〜 2018年夏(6月)@(NO.5)へもどる
関連サイト
ミツバチの蜜源 
  (1)ミツバチの好む花 
  (1-2)ミツバチの好む花(草花) ヨーロッパの種苗会社のリストから抜粋
  (1-3)ミツバチが好む花(花木やツタ性の花) ヨーロッパの種苗会社のリストから抜粋
  (2)ミツバチの果樹への貢献(ポリネーターとして)
飼育に用いる器具・用具についてのコメント 
ミツバチ飼育における通常作業のまとめ 
 
 
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