挿し木(芽)による増殖の実際 (1)
 
 一部の宿根草 or 多年草について、放置したまでは良い状態を維持することができないことがママある。そこで、これらの宿根草を、時折挿し木して更新することにしている。色々な宿根草を手当たりしだいに挿し芽をしたところ、結果的には、ほとんどの宿根草は、挿し芽で殖やすことができると思われる。
 挿し木用の養土は均一で、原則的に小粒の鹿沼土と赤玉土の混合(1:1)を用いている。養土を乾かさないように維持すると、1〜3週間ほどで活着し新しい芽が伸び始める。中には、先に新しい芽を伸ばし、その後根を伸ばし始めるものもある。
追記:2018年9月
 挿し芽や挿し木用土に、サカタの播種専用培養土スーパーミックスAが素晴らしい成果を上げている。友人と一緒に花の種をセルトレイ蒔いた時、その友人が空いたセルにラベンダーを挿し芽したところ、100%活着したとのこと。私もすぐに追試したところ、赤玉土より早く確実に活着することを確認し(私信、写真下左右)、その後、愛用している。

挿し芽で活着したスーパーアリッサムとラベンダ−

挿し木で活着したデュランタとランタナ
1) 宿根アリッサム 
宿根アリッサムは生長がとても早く、春先に直植えした小苗が5月には通路にはみ出すほど。最盛期には株全体にこぼれんばかりの花を咲かせることから、我が家の庭にはなくてはならない草花の一つである。しかし、宿根とされているものの、庭に直植えされている株は寒さで枯死してしまう。そこで毎年必ず挿し木をして殖やし、増殖苗を早春に直植えするという作業を繰り返している。一見面倒に思えるが、簡単に活着するので挿し木はとても容易。
大株から枝分かれした茎を切り取り、まずは数時間水につけ(写真右)、その後挿し芽用土に植えつける。
主として10月〜11月。
2016年1月22日、
宿根アリッサムは霜が降りるような低温地域では宿根で冬越できず、凍結して枯死してしまう。無加温ハウスで栽培しても同様で、少なくとも霜が降りることなく、土壌も凍結しない環境で栽培しなくてはならない。そこで、原則として、毎年晩秋に夏から大きく育っていた宿根アリッサムの若枝をを切り取って挿し芽で殖やし、最低温度10℃の温室内で冬を越して翌春に直植えすることにしている。
2016年2月12日、
右写真のように、ほとんどすべての小枝は活着し、中には花を咲かせ始めているものもある。
   
2) マーガレット
3)オステオスペルマムの挿し木と同様、本来多年草であるものの北関東の寒さのもとでは枯死してしまう。無加温ながらビニールハウスの中で栽培しても維持することができない。そこで、毎年、翌年に備えて晩秋に挿し木をすることにしている。挿し木は技術的には問題ないが、苗は洋蘭栽培用の低温温室(最低温度10度)で苗を維持することにして、徒長した枝を随時切り縮めることにしている。
切り取ったシュートを数時間水につけ、その後挿し芽用土に植えつける。
主として10月〜11月。
3) オステオスペルマム
2)マーガレットの挿し木と同様、本来多年草であるものの北関東の寒さのもとでは枯死してしまう。無加温ながらビニールハウスの中で栽培しても維持することができない。そこで、毎年、翌年に備えて晩秋に挿し木をすることにしている。挿し木は技術的には問題ないが、苗は洋蘭栽培用の低温温室(最低温度10度)で苗を維持することにして、徒長した枝を随時切り縮めることにしている。
切り取ったシュートを数時間水につけ、その後挿し芽用土に植えつける
主として10月〜11月。
 4)ダイアンサス かほり
とても丈夫なダイアンサスではあるが、突然勢力が衰えることがある。四方に張り出したランナーが伸びすぎるようなこともあることから、このランナーを切り取って挿し芽すると良い。予備として所々に分けて保持していると安心。
切り取ったシュートを数時間水につけ、その後挿し芽用土に植えつける
5月下旬〜9月。



 
5)ブッドレア 各種(バズ(矮性)、レイヴ・デ・パピヨン、普通種)  
色々なブッドレアを植えて8年。数年前からそれぞれのブッドレアの老化が目立ち始めた。太くなった木はもろくなり、冬に見られる新芽が極端に減少してきたように見える。そこで、これらの木の更新を目的として挿し木を行うことにした。2019年5月22日、今年伸びたシュートを切り取り、2節毎に切り縮めて直径5cmのビニールポットに鹿沼石を入れてブッドレアの挿し穂を挿し入れた。6月10には鉢底から出根が確認できたので、さらに大きな鉢に植え替えた。
苗は、鉢植えのママ秋まで保持し、晩秋に直植えすることにしよう。
6)センダイハギ、ゲラニウム、サルビア、キャットミントなど 
下野市のガーデニング仲間と、挿し芽・挿し木の材料を持ちより、気に入った材料を挿し木する会を開催して参加した。嬉しいことに、以前より切望していた色々な草花を一挙に挿し木できて、とても有意義な一日となった。

2019年6月10日
ムラサキセンダイハギ
ゲラニウム・アケボノフウロ Geranium sanguineum
サルビア・ネモローサ・カラドンナ
キャットミント Nepeta x faassenii 'Walker's Low'
バーベナ、アメリカコデマリなど 

6月19日、ゲラニウムの新芽

6月19日、ムラサキセンダイハギの新芽

6月19日、サルビア・ネモローサ・カラドンナの新芽

6月24日、キャットミントの新芽

6月24日、バーベナ・ピンクの新芽
 
6月24日、アメリカコデマリの新芽
草花によって大きく異なるが、活着の早いものでは挿し芽後1ケ月も立たないうちに、鉢底から発根が認められ、キャットミント(ネペタ ’ウォーカーズロー’)  のように、既に花を咲かせるものもあった。
 
2019年7月5日、ネペタの発根
 
2019年7月5日、花を咲かせ始めたネペタ
特に注目すべき草花・野菜の播種 その1
 1  デルフィニウム   2  ルピナス   3  タナセタム・ジャックポット  4 エキウム
特に注目すべき草花・野菜の播種 その2
 5  カンパニュラ  6  ジギタリス   7 ペタロステマム(ダレア)  8 西洋オキナグサ
特に注目すべき草花・野菜の播種 その3 
 9  ガーベラ  10  エキナセア  11 ラティビダ・ ピナータ  12 ルドベキア 
特に注目すべき草花・野菜の播種 その4 
13  ワイルドストロベリー  14  アシタバ   15  アルメリア  16  フランネルフラワー
17  プリムラ・メラコイデス 18 真冬の種まき         
特に注目すべき草花・野菜の播種 その5   
 A  レタス B  ピーナッツ  C 鷹の爪(唐辛子)    
挿し木(芽)による増殖の実際(1)
 1  宿根アリッサム   2  マーガレット   3  オステオスペルマム   4 ダイアンサス
  5 ブッドレア 各種    6 センダイハギ、ゲラニウム、サルビア、キャットミントなど
挿し木(芽)による増殖の実際(2)
 7  リモリウム
 ラティフォリウム
  8 ローダンセマム
   
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