皆さんによる意見・希望・質問コーナー

松本 さん  (奈良県)       990113

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Q:2年前に、近くの花屋さんで、札落ちでFDのパフィオを格安で購入しました。翌年、リップの下部の一部がへこんだ状態で咲きました。肥料の与えすぎではないかと思い、この株には肥料を全く与えずに育てました。今年は、1鉢、2株で各花をつけました。1花は、リップとセパルがない花が咲きました。もう一つの花は、リップの中にペタルが入った状態で咲き、ペタルが開かない状態です。 原種のコンカラーは、ここ3年ほど1茎に毎年、2〜3花咲いていますが、去年は、1茎2花で1花がリップのない花が咲きました。もう一つの花は正常です。コンカラーに関しては、肥料を月2回、2000〜3000倍を与えておりました。また、時たまメネデールを与えています。奇形花が咲く原因は、肥料の与えすぎと、本では書かれていますが、他にも何か原因があるのでしょうか? これらの株以外は、正常に開花しています。 

株全体の写真

1鉢で、2茎で、花は咲きましたが、両花とも症状は異なりますが、奇形花です。昨年度は、リップの下部がへこんで咲きました。

セパルとリップが無い花です。

セパルがリップの中に入っていて、開かない状態。写真は、セパルと取り出しましたが、取り出せない状態でです。最初は、両セパルとも完全にリップ内に収まっており開きませんでした。リップの開口部が肥大していることを写真で確認できると思います。
A:奇形は大きく二つの原因から起こると思われます。まず、第一には株の遺伝子の異常からです。上記のインシグネが、かつて輸入された時から同じ様な奇形の花を咲かせ続けるのならその可能性がありますが、生産農家は栽培し続けて株を増殖させてから販売するのが普通ですので、奇形の花を咲かせる株は処分されていると思います。従って、これには当たらないでしょう。さて、次の原因は松本さんが危惧されているとおり肥料のやりすぎ(?)と表現される生理的な原因に基づく状況です。?マークを付けたのは、必ずしも正しい表現ではないと思われるからです。たとえ10000に希釈した薄い液肥を与えていても、このような状況は起こることがあります。即ち、根がある状況下で極めて悪い(高い)塩濃度の状況下にさらされることです。最大の原因はコンポストの乾燥と思われます。幾ら薄い肥料(塩濃度)でも、コンポストが乾燥してくると濃度はどんどんと高くなるはずです。その結果、根が障害を受けて枯れる場合もありますし、潅水しても根としての機能が低下したり失ったりしている場合もあると考えられます。その結果ですが、軽症の場合では、新葉が畳み状になって出てくることが多いようです。軽症ですと、水を充分に与えたり、コンポスト内の過剰な塩を充分な流水で洗い流すことにより回避されることがあります。即ち、新たな健康な葉が出てきます。従って、畳状の葉が出るようなときは、塩障害を起こす前兆(危険信号)だと考えて対処していただきたいと思います。また、塩障害が起こり始めると、その症状は品種や個々の株によって異なります。おかれている状況やその程度がそれぞれ異なるからでしょう。共通のよく似た症状を起こす場合もあります。典型的な例は、オルチラ’チルトン’は水が不足した時期があると、多くの場合リップにスジが出るようです。上記のインシグネの栽培において、肥料の量を問題にする前に、長期間乾燥させたようなことがなかったでしょうか。インシグネはかなり強い原種ですので、かなり悪い条件下(インシグネにとって)に置かれていたかも知れません。パフィオの場合、コンポストを決して乾燥させないようにすることが大切だと思います。

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