(2)セラミックスで処理した水の利用

 ここで言うセラミックスは英語の’陶器 ’という意味ではない。粘土の主成 分である酸化ケイソと酸化アルミナを高純度に含有し、常温で遠赤外線を効率よ く放出すると考えられているものである。さらに、このセラミックスは多孔質で あり酸化物等を吸着する効果がある。また、セラミックスで処理した水は、処理 されていない水に比べて溶存酸素を長く保持することができることも知られてい る。
 セラミックスの利用とは、原理的に遠赤外線により水のエネルギーレベルを上げることを意味する。上表のように、遠赤外線を照射する以外にも、水にエネルギーレベルを上げる方法はある。問題は、いかに簡単に、低コストで実現できるかどうかである。
 洋ラン栽培での応用はいたって容易である。温室に備え付けた水やり用の タンクの中に、セラミックスを入れることである。実験ではサプライコン トロール社のボール状セラミックス(直径3cm,5cm)のものを用いた。ここで は50Lタンクに5cmのボールを3〜5ケ入れるのが適当であると思われる。 半日も入れておけば十分であり、このボールは半永久に用いることができる。ま た、吸着効果に着いては、ボールの孔が飽和してしまえばそれ以上の効果は期待 されないことから、数カ月に一度は天日に晒すとか電子レンジで処理する等の方 法により再活性化を行うことができる。
直径3cmの普通仕様のセラミックスボール(セラヒート(特許製品)、サプライコントロール社製)。水の性質変化には驚くほど効果がある。市販されていないが、先述社名をクリックすると直接情報が入手できる(準備中)。
 セラミックスボールを入れた50リットルタンク。冬の間はこのように処理した水を与えている。肥料や活性剤もこの水に含めることができる。水は、市販の簡易型シャワーで吸い上げて用いる。

結 果

そのほか、「解らない。」や「ほとんど変化が見られない。」というような意見 が20%ほどあった。めざましい変化ではないために明確な結果を導きにくいよ うである。

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