パプアニューギニアの
パフィオペディルム(NO.2)

(2) グランデュリフェラムの仲間について

 ギャレイ博士(Dr. Leslie A. Garay, Ph. D. )は最近、ハーバード大学のオークス・エイムス・ラン博物館とを退官されました。彼はランの分類学における世界的な権威で、数多くの発表と出版を行いました。 ここに紹介する内容は、彼がパプアニューギニアのラン情報(the original writing on the site of Papua New Guinea Orchid News)に寄稿されたものの一部を抜粋したものです。さらに詳細な内容を知りたい方は、そのオリジナルのサイトをご覧になって下さい。
 グランデュリフェラム(Paph. glanduliferum)の仲間に関する様々な品種については、今や混乱の状態と言えよう。そこで、その混乱を明確にするために、彼はパプアニューギニアのラン情報(The Papua New Guinea Orchid News)に現地のフィールドの詳細な観察に基づいた結果から、一つの見解を表した。彼は、現地で数多くのプレスタンと呼ばれる原種やそれに関連する種を比較検討した。そして、彼はそれぞれの原種の分類について、混乱していた内容にある結論を導いた。
 これらの原種について、それぞれのスタミノードの詳細を比較検討すると、これらの原種は明らかに2つのグループに分かれる。
1. スタミノードの中央部は、平坦で楕円形をしている。
2. スタミノードの中央部は、平坦で台形の盾ような形をしている。スタミノードの先端は基部よりも幅が広い。

グランデュリフェラム
Paph. glanduliferum


グランデュリフェラムはこの仲間の中では、ブルーム(Blume)により最も早く(1848年)記録された原種であるが、残念ながらジッペル(Zippel) によりタイプ乾燥標本が作られてから、それと同一の花が一度も見いだされていない。

プレスタンス
Paph. praestans


プレスタンスは花が大きく、ドーサルセパルには明確なスジが入り、また、しっかりと展開して僅かな捻れ場認められるペタルは緑を帯びた褐色のスジが見られる。ペタルの色彩は決して紫や紫を帯びた色彩はない。

ウィリヘルミナエ
Paph. wilhelminae


この原種は、発見されてから分類としては不適切な扱いを受け続け、ここ15年くらいの間にようやく認められてきた。スタミノードはその形態からプレスタンスのものと類似しているが、その他の花の構成部分を比較すると大きく異なっていることが解る。 まず始めに、ウィリヘルミナエの花は比較的小さく、色彩は褐色身が強く光沢も強い。また、花の弁質は水分が多く、ペタルは捻れるものの比較的少ない。さらに、ペタルの基部はプレスタンスのような明確な波を打っていないことが明らかな相違点と言える。

ガーディネリー
Paph. gardineri


この原種は1886年に記載された内容や図が明確でないことから、それ以来ずっと論争の的になってきた。記載された図のもとになった実際のタイプ標本や株が現存しないし、記載された図は花の横から撮った写真をもとに書かれたもので、スタミノードなどについてはまさに明確とは言えない。

しかし、1979年にジョージ・ケネディー( George Kennedy)がプレスタンス似にた花の写真を彼のもとに送りつけた。その花は、スタミノードは台形をしており、プレスタンスとは明らかに異なった花であることは一目瞭然であった。 そして、即座にこの花がガーディネリーであると気づいたのである。さらに、その花にははリボンのような形の捻れた美しいペタルが認められ、記載されているように紫を帯びた色合いを示している。
オリジナルの原稿には、それぞれの原種についてのスタミノードの形態等が記載されている。くしくも、私もこの分類に同意するもので、現在作成中のCD ROM ’パフィオペディルムの原種とその交配 ’に、これらの分類についての私なりの見解を述べている。その添付表をここに紹介しよう

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