第21回パフィオサロン in ろまんちっく村


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テーマ「javanicum&virensとその交配」のまとめ(協力:花房 英美)

テーマ 『javanicum&virensとその交配』
1. 原種の紹介(歴史・分布・分類)
 
  1・1 歴史・分布・・・javanicum(ジャバニカム)は1823年に東部ジャワで発見され1850年記載された。分布はジャワ島全域・スマトラ島の一部・フローレス島であり、海抜950m〜2000mの暗く険しい急斜面の腐葉土がかなり積もったところに自生している。
virens(ビレンス)は1863年に記載された。分布はボルネオ島キナバル山でありjavanicumのジャワ島とはかなり隔てられているが、RHSではjavanicumの変種=javanicum var.virensとして扱われている。その他javanicumに関わる種(変種)として、floresianum・purpurascens・petri・burbidgei・mohrianumが紹介された。


  1・2 分類・・・javanicumとvirensはRHSでは個々独立した種として扱っていないが、産地がジャワ島とボルネオ島と言う様に大きく異なり、花の形態でも明確な違いが見て取れる。以下floresianum(フローレシアナム)・purpurascens(パープラッセンス)・petri(ペトリー)・burbidgei(バーベガイ)・mohrianum(モーリアナム)を含め花の特徴を中心に分類について考察する。
 1 javanicumとvirensの違い・・・両者を区別することは非常に難しいが一番の特徴はペタルにある。javanicumのペタルは斜め下に垂れ、ペタル全体に細かな点が入る。一方virensのペタルは水平に張り、javanicumのようにペタル全体に点が入るのではなく、上部・真ん中・下部に筋のように点が入る。(The Genus PAPHIOPEDILUM Second EditionのP.366.367参照)またスタミノードも大きく異なる。(上記P.369.370参照)

 2 floresianum・・・ジャワ島東部Flores島に分布する。分類上javanicumの変種(javanicum var.floresianum)扱いかどうかは不明。通常のjavanicumに比べ花・葉ともに赤味が強いのが最大の特徴であるが、流通量が少なく花を見る機会がほとんどないことから濃色のjavanicumと混同されやすい。産地のはっきりした本物のfloresianumはとても貴重品と言える。蛇足だが望月さん(望月蘭園)のリストにjavanicum var.floresianumがあった記憶があります。興味のある方は問い合わせください。

 3 purpurascens・・・1974年FowlieによりOrchid Digestに記載された。発見場所はボルネオ島キナバル山でありvirensのコロニーから見出された。花の特徴は一言でいえばjavanicumそっくりであることから産地が明らかにボルネオ島キナバル山と分かっているjavanicumそっくりの花をpurpurascensと呼ぶとすれば混乱は少ないのでは。

 4 petriとburbidgei・・・両者ともに1984年virensの個体群から変な花が2つあるとしてそれぞれpetri・burbidgeiとして紹介された。花の特徴はdayanumそっくりであり、写真ではdayanumとの違いが分からなかったがdayanumより小型とのこと。しかし1985年に紹介されたpetriはdayanumの小型版ではなくvirensタイプの花であり、今で言うpetriとはこのvirensタイプのことを言う。花の特徴はスタミノード含めvirensに似ているが、virens特有のペタルの点が3本の筋になるのではなく、上下2本の筋(真ん中の点がほとんどない)になるという違いがある。

 5 mohrianum・・・1989年BraemによりFlores島の新種として記載された。Phillip Cribbによればbullenianum var.celebenseとjavanicumとの自然交雑種ということであるが詳細不明。(The Genus PAPHIOPEDILUM Second Edition P.291の写真参照)

 
2.交配結果
 わずかにlawrenceanumとfairrieanumとの交配写真が紹介された。やはり片親がjavanicumだとその先の交配が進まないようです。
3.栽培
 なし

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