第20回パフィオサロン in ろまんちっく村


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テーマ「charlesworthii」のまとめ(協力:花房 英美)

テーマ 『charlesworthii』
1. 原種の紹介(歴史・分布・分類)
 1. 原種の紹介

  charlesworthii(チャールスワーシー)の歴史は古く1893年にビルマ(現ミャンマー)のシャン高地で発見され、同年Rolfeiにより記載された。種名は初めて開花させたイギリスのCharlesworth氏を記念して命名された。charlesworthiiはビルマ(現ミャンマー)シャン州のごく限られた地域に自生しているという報告があり、少数ながらタイに近い所やインド・中国にもあると考えられている。しかしながらその分布の詳細はほとんど知られていない。
 花はとても個性的で他の種と間違うことは少ないが、山採個体とシブリングクロス等により改良された個体とを比べると大きな違いがある。ほとんどの山採個体のドーサルはフラットに展開せず前に屈みこみなおかつ後ろに反り、色も薄く、ドーサル上部に行くにつれて色が薄くなる。ペタル幅も細い。一方改良された個体のドーサルはフラットに展開し、よれも無く色も均一に濃い。ペタル幅もある。
 charlesworthiiにはalbum(アルバ)個体が存在し、特に'Pride of Tokyo'が有名であり、近年そのself苗が出回っている。関西には'White Angel'という個体があり、'Pride of Tokyo'より良形とのことである。

 
2.交配結果
 charlesworthii(チャールスワーシー)を使った交配結果を、いつも通り交配相手を亜属ごとに分けて考察するが、その交配は難しく実際に交配されることも少ないため資料となる写真がほとんど無い状況でした。もしcharlesworthiiの交配写真をお持ちの方は是非田中先生まで送付お願いします。

 2・1 charlesworthii x Parvisepalum(パービセパラム)亜属

  charlesworthii
armeniacum -
delenatii Bayeux
emersonii -
malipoense -
micranthum -

 わずかにdelenatiiとの交配のみ種名登録ありますが、写真ありませんでした。色の予想はできますが、形の予想できますか?‘想像力豊かな方’是非交配してください。


2.2 charlesworthii x Brachypetalum(ブラキペタラム)亜属

  charlesworthii
ang-thong (Greyi) Sandy's Pink Dink
bellatulum Dora Crawshaw
Conco-bellatulum -
concolor -
godefroyae -
niveum Eos

 種名登録は半分ありますが、bellatulumとの交配=Dora Crawshawのみ写真が2個体分あり、そのうちの1つはお互いの特長が良く出ていて丸く整っていました。しかしながらそれは例外的に良い個体であってこの交配のほとんどは駄花なので再交配の話しもでましたが効率悪いと言うことでした。ただし現在の改良された良個体を使えば良いのが出るのでは・・・という声も。。。


 2.3 charlesworthii x Polyantha(ポリアンサ)亜属

  charlesworthii
haynaldianum Balthazar
kolopakingii -
lowii Quadriga
parishii Aries Krystal Lyn
philippinense -
rothschildianum -
sanderianum -
stonei Neeri-Candy
 
 ポリアンサ亜属との交配写真は一枚もなかったのですが、東京で開催された鑑賞会にてTransvaal x charlesworthiiで入賞花が出ました。写真は6th鑑賞会にありますので参照してください。



 2.4 charlesworthii x Cochlopetalum(コクロペタラム)亜属 

  charlesworthii
chamberlainianum Mrs Sutton Willoughby
glaucophyllum Prelude
liemianum Paige Amorteguy
primulinum Pale Face
victoria-mariae -
victoria-regina Old Spice

 意外にもコクロペタラム亜属との交配種名はほとんど登録されていますが、見たことも聞いたこともありません。

 


  2.5 charlesworthii x Sigmatopetalum(シグマトペタラム)亜属
 

  charlesworthii
acmodontum -
appletonianum -
argus Ian Hamilton
barbatum Lumsdenii
bullenianum -
callosum Rosita
ciliolare Villebois-Maureuil
curtisii Rachel
dayanum Helen
hookerae Hookerbaecrook
javanicum -
lawrenceanum Aurantiacum(Decipiens)
mastersianum -
purpuratum Faunus
sukhakulii Sue Wo-th
superbiens Evadne
tonsum Nellie
venustum -
wardii -

 交配相手がSigmatopetalum亜属の場合、古い登録で今は残っていないだろうと思われるが若干残っているようです。写真ではcallosumとの交配(=Rosita)、curtisiiとの交配(=Rachel)、sukhakuliiとの交配(=Sue Wo-th)が紹介されたが、良い花が全然ないとのことで一時期苗が出回るがいつのまにか消えていくようです。


  2.6 charlesworthii x Paphiopedilum(パフィオペディラム)亜属
  

  charlesworthii
barbigerum -
boxallii Elsie
druryi E Rogerson
exul Daphne
fairrieanum Jessie
gratrixianum Justa Doll
henryanum Doll's Kobold
hirsutissimum Erubescens
insigne Hitchinsiae
spicerianum Memnon
villosum Wrigleyi

 写真の紹介はfairrieanumとの交配(=Jessie)のみでしたが、barbigerumとの交配や、spicerianumとの交配(=Memnon)を見たという意見があり数は少ないながら残っていることが確認されました。なおcharlesworthii x Paphiopedilum亜属との交配写真がニューオーキッドNO.105のP.31、32に数点載っていますので参考に見てください。


  2.7 charlesworthii x ひげ花(ビニカラータイプ)
 
 最近目にするcharlesworthiiの交配と言えば、Maudiae(モーディー)タイプのビニカラーとの交配である。真っ赤な花を目的として大きくてフラットなドーサルの花が多数入賞しているのでペタルが細く貧弱かもしれないがcharlesworthiiの特徴が良く出て当たり交配といえる。



  2.8 charlesworthii x 整形花


 原種x整形花では整形が崩れほとんどろくな花が咲かないがcharlesworthiiの場合も同様に良い花は少ない。整形花との交配は現在目にすることは少ないが、一昔前グリーンの整形花との交配が一世を風靡した。グリーンの整形花と赤褐色のcharlesworthiiでは共通色が無いため、意外にもグリーン花が出現した。

3.栽培
  サロン参加者のほとんどがcharlesworthiiを所有していた。栽培に関して、比較的寒いところに自生するので夏は涼しく冬は15℃位が目安であるが、順調と答えた人と難しいと答えた人とにはっきり別れその割合はほぼ1:1であった。
  順調と答えた人の話しから判断すると、コンポストによる優劣は見つけられず、また栽培温度による差もなかった。もっとも重要なのは風であると言える。首振りの小型扇風機を斜め上から風が当たるようにすると特に夏場に効果あるという意見のように常に空気が流れていることが大事である。
  またcharlesworthiiはなかなか咲きにくいと言われているが冬の最低温度を15℃以下で管理すると咲き易いと思われる。18℃以上の高温管理でも生育には問題なくよく殖える。


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