第14回パフィオサロン in ろまんちっく村

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テーマ「コクロペタラムの仲間達」のまとめと栽培(協力:花房 英美)

テーマ 『コクロペタラムの仲間達』のまとめ
1.コクロペタラム亜属の抱える問題点
 最大の焦点は何といってもコクロペタラムの『分類』にあり、現在日本で一般的に使われている種名(変種名)と、RHS(クリブ)の主張する種名とが著しく異なる状況にある。特に問題なのはvictoria-mariaeであり、そこからchamberlainianumにも派生している。どうしてこのような状況になったかの詳細についてはニューオーキッドNO.114に詳しいが、その経緯と今後我々が取るべき対応を述べておく。

1.1経緯
 現在RHSのいうところのvictoria-mariaeはサンダー商会の依頼によりミコリッツがスマトラ島で発見し1891年12月に乾燥標本をサンダーに送った。それをもとにサンダーは1892年2月に発刊された『ガーデイナーズ・クルニクル』に種名:victoria-reginaとして紹介した。それと同時にchamberlainianumも紹介した。この記述は学術的な記載というわけではなくオークションのためだったというが、昔はこのような記述でも記載されたと解釈できる。このとき大量に持ち込まれた株のほとんどは枯れてしまい残ったものはchamberlainianumだけであった。しかもミコリッツがサンダーに送った乾燥標本はvictoria-reginaではなくchamberlainianumであったという。
1893年5月に本物のvictoria-reginaが開花したのでサンダーはRHSの集会に持参し紹介した。そしてこの花はつい先ほど執り行われたビクトリア・マリー女王の結婚式当日に開花したことから、サンダーはそれを記念してvictoria-reginaからvictoria-mariaeに改名し、同年のガーディナーズ・クルニクルにRHSの報告記事として掲載され、それが正式な記載として記録されることとなった。しかしながらこのvictoria-mariaeという種名は必ずしも一般に受け入れられたとはいえずvictoria-reginaに戻って使われていた。少なくとも日本ではvictoria-mariaeはvictoria-reginaの同種異名として扱われていたのである。つまり、victoria-mariaeとvictoria-reginaは二者択一であり、その両者が存在していてはいけないはずである。
このような状況の中、RHS(クリブ)は上記の種名にvictoria-mariaeを採用し、かつvictoria-reginaという種名をchamberlainianumに相当するものとして使い始めたのだ。当初このvictoria-reginaは我々の言うところのchamberlainianum var. latifoliumだと解釈していたが今ではchamberlainianumそのものの種名として扱われている。その理由は以下の通りである。
 《サンダーは1892年2月13日にガーディナーズ・クロニクルにvictoria-reginaとchamberlainianumを同時に記述したが、victoria-reginaに比べchamberlainianumの記述は不十分であった。またvictoria-reginaの記述はミコリッツがサンダーにvictoria-reginaとして送った乾燥標本とともにchamberlainianumそのものだった。その2週間後の2月20日のガーディナーズ・クロニクルにchamberlainianumの記事が掲載されたがその内容はvictoria-reginaと変わるところがなかった。すなわちこの時点でvictoria-reginaとchamberlainianumはサンダーの意志に反して同一の品種であり、正確な記載が早く記録されているのはvictoria-reginaなのでvictoria-reginaが正式な種名となる。》

1.2今後の対応
 まず今まで我々がvictoria-regina or victoria-mariaeの二者択一で呼んでいたものをvictoria-mariaeという種名を使うことにする。victoria-reginaについては、chamberlainianumをvictoria-reginaと呼ぶには時間がかかりそうなので(受け入れ難い)、近い将来変更されるということを頭に入れておく必要がある。RHSでは混乱を避けるため同一の交配に対してvictoria-mariaeかchamberlainianumを用いた2つの交配名が登録されていることを知りつつ、両方の種名を受け入れているが、近い将来受け入れる種名はvictoria-reginaのみになる。また話しは種名だけの混乱・混同にとどまらず、交配の結果・評価・更な る交配にも多大な影響をもたらすが、我々趣味家としてはRHSに品種名を 登録する時は間違いなくRHSが提唱する種名を使い、栽培している株には現状ついている種名(園芸種としての名称)を残すことをお勧めする。

1.3その他の問題点
 moquetteanumにも問題がある。多くの分類学者がmoquetteanumをglaucophyllumの変種として扱っている。      (glaucophyllum var. moquetteanum )ところが染色体数を見るとmoquetteanumは(2n=)34に対し、glaucophyllumは(2n=)36・37である。つまり染色体数の異なる2種を1つの品種として扱っているのである。この問題は交配した時にも顕著に影響がでて、glaucophyllumそのものを使った交配よりmoquetteanumを使った交配のほうが良い結果を残している事実からも甚だ疑問の残る分類といえる。
2. コクロペタラム亜属の原種
 ここではわかり易くするために従来の呼び名とRHSが提唱する呼び名とを混ぜて使うことにする。

@  chamberlainianum・・・RHSではすでにvictoria-reginaとして扱われていて将来完全にvictoria-reginaに変わると思われるが現状では混乱を避けるためchamberlainianumとしておく。このchamberlainianumの歴史は古く1892年にサンダーにより紹介されている。染色体数は(2n=)34であり、スマトラ島中北部の標高500m〜2000mという標高差が大きく異なる広い地域に分布している。標高の高いところでは昼夜の温度差が大きく気温が下がると霧が発生する。また熱帯雨林地帯であるから1年を通じて高温多湿で雨季にはモンスーンの影響により激しい雨が降る。このようなところでchamberlainianumは岩盤の割れ目・くぼみだけでなく苔むした木に着生する姿も観察されている。

A  glaucophyllum・・・1897年に発見され1900年に記載された。染色体数は(2n=)36/37であり、ジャワ島中部から東部にかけた標高200m〜700mの比較的低地に自生する。熱帯雨林地帯であるから1年を通じて高温多湿なのは言うまでもないが比較的低地に自生するため昼夜問わず1年を通じて高温多湿を好む。花の特徴としてはドーサルが茶緑色に濁る。

B  moquetteanum・・・1906年に記載されたが、1976年に再発見されるまで長い間栽培品種として失われていた。染色体数は(2n=)34であり、glaucophyllum(2n=)36/37と同一品種(変種扱い)ではあるが著しく異なる。また花の色彩という基本的な形質だけでなく交配においてもglaucophyllumとは大きく異なる結果を見せる。ジャワ島南西部の標高150m〜300mの低地に自生し、glaucophyllumと同様に1年を通じて高温多湿を好む。花の特徴としては全体に黄色味が強くドーサルに細かい点が入る。

C  liemianum・・・1971年に記載され以後長きにわたりchamberlainianumの変種として扱われた。(独立した年月は不明)スマトラ島北部の標高500m〜1000mに自生する。1年中高温多湿だが比較的高地なので昼夜の温度差が大きい。花の特徴はドーサルの外側に白の覆輪(伏輪)が入るが、個体差があるので難しい。最大の特徴は葉に斑が入り、葉の裏に明確な紫紅色の点が入る。

D primulinum・・・比較的新しく1972年に発見され翌年記載された。スマトラ島北部の標高400m〜600mの比較的低地に自生する。低地なので1年を通して高温多湿を好むが意外と温度はあがらない。花の特徴はなんといってもその黄色にあり、primulinumといえば黄色の花を咲かせる個体を示す。この黄色は色彩変化に乏しいコクロペタラム亜属(単一系統から進化したため)においては異色の存在で、交配した時にも優性に伝えるので重要な存在である。またprimulinumには変種として褐色を帯びた色彩のvar. purpurascensがあるが、これをliemianumとprimulinumとの中間に位置するものとして分類する学者もいる。

E  victoria-mariae・・・ここでいうvictoria-mariaeはRHSのいうところの種名であり、従来国内で使われていたvictoria-reginaを指す。スマトラ島中南部の標高1500m〜2000mの高地に自生する。標高が高いため気温は低く最高温度は24℃、最低温度は13℃である。花の特徴は独特の艶であり、その他のコクロペタラム亜属の花と区別するのは容易である。

F chamberlainianum var. latifolium・・・見た目で判断するのは難しいが一般のchamberlainianumに比べて株(葉)が大きく花も荒々しい感じがする。また子房を包んでいる小さな葉(ホウ)の形・つき方が異なる。このlatifoliumも近いうちRHSの提唱によりvictoria-reginaに変わる。

G kalinae・・・1990年ワシントン条約施行後発見され1995年に記載された。スマトラ島のGunung Kerinchi(火山)で発見されたが、それ以上の詳細は不明。特徴として普通のchamberlainianumと比べて葉幅がより広くて薄い。花自体も特徴があり特にペタルに細点を蜜に散らしていてかつペタルに細毛が多い。このkalinaeもRHSではvictoria-reginaとして扱われている。

3. コクロペタラム亜属を使った交配結果
 コクロペタラム亜属はスマトラ島・ジャワ島という限られた地域に分布し、染色体数が種毎に違っていたりとPaphiopedilumの中でもユニークな存在であるが、その交配結果は、細かく見れば違いが見られるものの、傾向として一つにまとめることができる。つまりどの交配を見ても、花の形は基本的に全て同じといえる。またコクロペタラム亜属は単一系統から進化した亜属なので、primulinumを除けば色彩変化に乏しく、交配しても同様に差別化は難しい。それでは、いつもどおり交配相手を亜属ごとに分けて考察する。

 
3・1 コクロペタラム亜属×Parviseparum(パービセパラム)亜属
chamberlainianum glaucophyllum liemianum primulinum victoria-mariae victoria-regina
armeniacum Canary Waltz Mary Ott - Golddollar Wossner Goldmarie Wossner Armeregina
delenatii Dellaina Delophyllum Annabellchen Deperle Grassauer Abendrot Grassau
emersonii Wossner Emercham Pat Kalina - Summer Ice - -
malipoense Jennifer Kalina Guacamole - Envy Green - Wossner Malictoria
micranthum Mem.Connie Truax Taida Glaucothum Blecko Bubble - - Madame Hiroko

 上記の表は横軸にコクロペタラム亜属を縦軸にパービセパラム亜属を列挙し交配種名がわかるよう、かつ交配の結果を傾向としてつかみ易いようにした。交配相手を遺伝力が一番強いパービセパラム亜属とした場合、花形・色彩ともにパービセパラムに強く依存する。花形についてはコクロペタラム亜属×パービセパラム亜属というのは基本的に同じであり、交配親により多少変わる程度である。色彩については、交配親同士共通の色を持っていればよりその色が強調され、共通色がない場合は乳白色、紫紅色に濁る。具体的に、armeniacumを交配親とした場合その共通色である黄色がベースになり、形はコロンとかわいい感じになる。次のdelenatiiでは、primulinumを除き共通色であるピンクがペタル・リップに出てドーサルは薄く乳白色となる。ではdelenatii×primulinumではどうなるであろうか?答えは簡単:共通色がないので全面白くなるのである。順にemersoniiは白ベースの黄色だが濃いピンクがペタルに出る個体もあり、malipoenseは黄・緑を基本色としてこの系統としては大きな花を咲かせ、micranthumは一風変わった特徴のある花を咲かせるが小さくなったmicranthumという感じである。今回のサロンでたくさんの写真をスライドで見ることができたが、観賞価値の高いものとして、Golddollarprimulinum×armeniacumEnvy Greenmalipoense×primulinumGuacamolemalipoense×moquetteanum)のようにprimulinumの黄色を強調した交配やmalipoenseを使い花を大きくした交配が挙げられる。


3・2 コクロペタラム亜属×Brachypetalum(ブラキペタラム)亜属
 パービセパラム亜属に次いで遺伝力の強いブラキペタラム亜属を相手にした場合、花形・色彩ともにブラキペタラムに強く依存する。花形についてはコクロペタラム亜属×ブラキペタラム亜属であれば基本的な形は同じであり、色彩についてもパービセパラムと同様である。コクロペタラム亜属×ブラキペタラム亜属の交配で良い花を咲かせるのは何といっても相手をbellatulumとした場合であり、濃色でペタル幅の広い個体が期待できる。(代表種Charles Sladdenglaucophyllum×bellatulum)この系統の交配は人気ないが、不人気ゆえ入賞クラスの良個体が安価で手に入るのも事実である。話しは飛ぶが、前回のサロンの時にフラグミペディウムとパフィオペディラムの属間交配の花が紹介されて世界各地でいろいろな議論(憶測)がされているということであったがその花の感じが下記の表にもあるFantasy Worldang-thong×chamberlainianum)に似ているという話しが今回のサロンで出た。詳しくは田中先生のHPを参照されたい。

chamberlainianum glaucophyllum liemianum primulinum victoria-mariae victoria-regina
ang-thong (Greyi) Fantasy World Ruby Charles - Nimit - -
bellatulum Edithiae Charles Sladden Edward George Kubista Sand Dollarr - -
conco- bellatulum - - - Misha Kojima - -
concolor Eira Tinicum - Primcolor - -
godefroyae C J Catt Roger Sander Iluka Ruby Heeder Fladder - Madame Yuri
niveum Mrs A W Sutton Miss Faith Hanbury - Ron Williamson - Chaipricha

 3.3 コクロペタラム亜属×Polyantha(ポリアンサ)亜属
 亜属中遺伝力の一番弱いポリアンサ亜属を相手にした場合、コクロペタラムの特徴が良く出る。またコクロペタラム亜属は原種間の差異があまりないので、この系統の交配では基本的にすべて同じような花が咲くことになる。例外として交配親を、adductumhaynaldianumsanderianumprimulinumとした場合は一目でそれを使った交配だとわかるような特徴的な花を咲かせる。コクロペタラム亜属とポリアンサ亜属との交配で一番問題なのはやはり何といってもTransvaalrothschildianum×chamberlainianum)である。すごく良い(入賞個体)Transvaalというのは実はVanguardではないか?つまりchamberlainianumではなくmoquetteanumを使ったのではないかと囁かれている。この問題はLebeauTransvaal×rothschildianum)にも影響を与え、少し前に一世を風靡したLebeauに使われたのが問題のTransvaalということである。今後の問題はTransvaalLebeauの入賞花が出難いことである。なぜなら普通のchamberlainianumを使っては入賞個体ほどの良い花は咲かないからである。

chamberlainianum glaucophyllum liemianum primulinum victoria-mariae victoria-regina
adductum Lion Weltz Bianka - - - -
haynaldianum Haynaldo- Chamberlainianum Rodney Wilcox Jones - Henrietta Hujiwara Ray Rands Quirola
kolopakingii - - - Jurgen Roth Marylin Hart Reed -
lowii Mem.Arthur Freed Glaucolowii Song of  Love Mamie Wilson - Sandy's Wild Turkey
parishii Keelingii Glaucopar Wossner Liemipar Veronique Bert - -
praestans Coos Jogjae - Prim-n-Proper - -
rothschildianum Transvaal Vanguard Transdoll Prime Child Andronicus -
sanderianum W Stevens Landmark Mem.Dr. Fowlie Oberhausens Diament Wossner Mariasand First Touch
stonei Argenteum (Ethel) Stone Ground - Imperial Jade - Adventure
 

 3.4 コクロペタラム亜属同士
 コクロペタラム亜属同士の交配というのは、今や何がなんだかわからないのが現状である。分類上の問題により、ある時は原種同士のsib、ある時は同じ交配でも交配種だったり・・・しかも分類上の問題により今後も混乱が続くことが容易に想像できる。今後はコクロペタラム亜属同士の交配は避けて欲しいという田中先生の要望もあった。参考までにPinocchioglaucophyllum×primulinum)をselfすると30%くらいの確立でアルバが出ることや、Pinocchio×glaucophyllum(=Pine Glow)でmoquetteanumに酷似した花を咲かせる等の話しもあった。

chamberlainianum glaucophyllum liemianum primulinum victoria-mariae victoria-regina
chamberlainianum - Utgard Salvadore Dali Amelia Hart Alexander - John Sutter
glaucophyllum Utgard - Glaucoliem Pinocchio - Vedanta
liemianum Salvadore Dali Glaucoliem - Sandy's Prime Lime - -
primulinum Amelia Hart Alexander Pinocchio Sandy's Prime Lime - Mem.Eleanor Ohlund -
victoria-mariae - - - Mem.Eleanor Ohlund - -
victoria-regina John Sutter Vedanta - - - -

  3.5 コクロペタラム亜属×Paphiopedilum(パフィオペディラム)亜属
 資料となる写真がほとんどなく、かつ実際にこの系統の交配種をお持ちの方も少ないと思われる。下記の表を作成中、交配登録年度の古い品種が多いのに気がついたが、再交配は期待できないので見る機会も少ないことになる。(前回のサロンの時、下記表にあるSun Pebbles=glaucophyllum×exulが展示された。珍交配でこういう面白いのが出てくるのもサロンの楽しみである。)

chamberlainianum glaucophyllum liemianum primulinum victoria-mariae victoria-regina
barbigerum - Ginette Lapointe Aubry - - - -
boxallii Prince Hassein Kamil - - - - -
charlesworthii Mrs Sutton Willoughby Prelude Paige Amorteguy Pale Face - Old Spice
druryi Juliana Mrs Coburn - Druid Spring - -
exul Bullii Sun Pebbles - Krista - Sugiantoro
fairrieanum Diane Connie - Elfin Charm - -
gratrixianum Ungeduld - - - - -
henryanum Limidolli Diane Vickery - Tropical Magic - -
hirsutissimum Merope Mishatawayawininiwak Chu Chu Hirsulinium - Hairy Slippers
insigne Miss Louisa Fowler Fanciful - Lady Light Dorothy -
spicerianum Deedmannianum Mazurka - Lemonade Zollingeri -
villosum Madiotianum James Packer - Privil Honi Venilla -

  3.6 コクロペタラム亜属×Sigmatopetalum(シグマトペタラム)亜属
 パフィオペディラム亜属と同様にこのシグマトペタラム亜属も人気がないためか写真が少なく、お持ちの方も少ないと思われるが、今回のサロンではすばらしく良い交配種Barbato-glaucumが出品された。この系統の交配としては稀に見る良個体でBMではもったいないくらいでAMをあげたいという先生の意見もあった。

chamberlainianum glaucophyllum liemianum primulinum victoria-mariae victoria-regina
acmodontum Purple Gem Roseville - - - -
barbatum Carmel Barbato-glaucum - - - Heather Mist
callosum Alcippe James Fisher - Dollina - -
lawrenceanum Hiero Lawrencifillum - Prilaerence - -
mastersianum Statherianum Hochbergianum - Sauvie Island Prince Master Link -
purpuratum - Pigmy - - - -
sukhakulii Excalibur Santa Cruz - Elizabeth Moore - Marion Pfeiffer
venustum Venus Chamber Shem - - - -
wardii - - - Quissett - -

 3.7 コクロペタラム亜属×整形花
 交配相手を整形花とした場合ほとんどが黄色系整形花×primulinumである。他のコクロペタラム亜属を使うと中途半端に終わる整形花との交配だがprimulinumだと不思議とまとまるのである。その理由はひとえにprimulinumの持つ黄色によるものだが、それでも花形としては満足するレベルのものは少ない。代表的交配種にGolden-Prem(primulinum×Golden Acres)がある。

4. コクロペタラム亜属の栽培方法
 栽培編はいつもどおり山本さんを司会にサロン参加者全員により@温度A水B光CコンポストD肥料 の5項目を中心に議論された。
@ 温度・・・高温管理が基本ということで意見は一致した。コクロペタラムだからといって特別な管理をされている方はいなく、他のパフィオと同様:つまり20度以上で管理されている方もいれば15度以下の方もいる。15度以下の場合、交配種は元気だが原種だといまいちという意見があった。
A 水・・・1年を通じて乾かさないことが基本。腰水管理でもすごく調子が良い。ただ腰水の場合生育は良いのだが花が咲き難いので、乾季にあたる冬は通常の管理に戻したほうが良いということであった。
B 光・・・ほとんど日のあたらない所で管理している人もいれば、比較的暗めの人も、一日中あたる所で管理している人もいるが、どの管理でも順調とのこと。
C コンポスト・・・ミックスコンポストの方が多いがクリプトモス・バーク単用・水苔単用でも問題ない。
D 肥料・・・肥料の嫌いなパフィオはないとの観点から、液肥を薄めで回数を多くするという意見が多かった。
その他、コンポストの劣化に絡み、特にクリプトモス使用者から植替えは一年に1回という話しが挙がった。栽培の話しを通じて、コクロペタラムだからといって特に注意して管理しているという人はいなく比較的栽培は容易と感じた。またコクロ系を栽培していないという方も多数(参加者の1/3)おり、コクロ系の人気のなさを示しているようであった。



展示されたものの中からテーマに関したものを集めてみました。
Fantasy World
(Greyi x chamberlainianum)
出品者 : 綿貫 芳文
本人評価で「まあまあでしょう」

NS=9.0x6.4
Wonder Boy
(Utgard ‘Tsukuba’ x rothschildianum)
出品者 : 青木 高広
初咲きにしては立派!!

NS=16.0x12.0
Miss Faith Hanbury
(glaucophyllum x niveum)
出品者 : 奈良 優子
NS=8.0x5.6
moquetteanum
出品者 : 河村 哲
NS=11.0x6.5
glaucophyllum
出品者 : 河村 哲
NS=7.8x5.8
primulinum var.purpurascens
出品者 : 河村 哲
NS=4.0x5.6
primulinum
出品者 : 河村 哲
NS=7.7x6.6
glaucophyllum
出品者 : 河村 哲
NS=8.0x6.7
chamberlainianum var.latifolium
出品者 : 河村 哲
NS=8.0x5.6
Barbato-glaucum ‘Inasa’BM/JOGA
(barbatum x glaucophyllum)
出品者 : 渋澤 宏司
BM/JOGAと言うことですがいつの入賞のものか知りません。多少色むらがでてます。

NS=8.0x9.5
Transvaal
(chamberlainianum x rothschildianum)
出品者 : 小林 良一
NS=16.0x9.0
Satin Smoke
(primulinum x micranthum)
出品者 : 大床 豊治
NS=9.5x8.5
Greyi fma. album x Transvaal
出品者 : 大床 豊治
NS=12.0x7.5
chamberlainianum fma. album
参考出品者 : 新里蘭園
chamberlainianum fma. album
参考出品者 : 新里蘭園

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