パンダへのチャレンジ

-なんだパンダと云うけれど-

How to Grow Vandacious Group.

・中島文子 Fumiko Nakajima


単茎で延びていくVanda族には、V.属、Aer.属, Phal.属, Ren.属, Asctm.属など多くの種類があります。ごく最近、ベトナムで株姿がV.そ っくりで黄花の咲く、株幅10cm程の超ミニサイズChristensoniavietnamicamが新発見されました。
日本に入ってきているV.属の原種は、実は以外に少なく30〜70種あるという原 種の中でも10種類しかありません。趣味栽培家としては、C., Paph.などの様にあまり原種にこだわる事もなく sanderiana, coerulea, luzonica, 棒葉のteres等の交配親を知っていれば充分だと思います。
V.を育てるにはコンポストもいらないので植替の必要もなく、針金1本でも育て られます。一般には木枠(バスケット)植で作ります。空中に 伸びる気根(好気 性の根)の動きを観察するだけで、花のコンデションが一目で解り、トロピカル ムード一杯の花はトップまで全開するのに1ヵ月以上掛り、花保も良くたいへん 長く楽しめます。
15〜23℃の温度を目安に、5月連休頃より10月上旬まで遮光1枚の屋外に出しま す。根が擦れない高さに吊るし、湿度対策と雨の跳ね返りからくる病原菌の予防 に備える為古絨毯などを敷きつめます。タイ・シンガポール・インドネシアの農 園でも、池の近くに吊るしたり、広大な沼地の上にバンダハウスを建てて育成し ているのが多く見られ、スコールのある地方でも湿度対策を考えて造っています 。風と太陽と自然の雨に打たせるこの半年間が根と互生する葉がいちばん成長す る時期で、この間の体力如何で花の輪数と迫力が違ってきます。

栽培ポイント
@温度の急変−四季の変わり目の急激な温度変化に遭うと下葉を落し、熊手か ハエタタキとなるのでカバーで覆うか室内に取り込む
A冠水−梅雨と秋雨の低温、長雨にあてない。7,8月はシリンジ、湿度70〜90% が最適。自生地では乾期(冬)の間一滴の雨も降らないので控える様にと書いた 参考書もあるが、日本の冬は温度が入ってくるので1日1回冠水、基本的には1年 中同じリズムで良い。空中湿度と冠水とは別で絶えず根が濡れた状態だと青ゴケ が生え充分な光合成が出来ない。
B肥料 根がグリーン色をしている時に1000倍液肥を週に1回、シリンジで1回 、単茎の為、肥料の入った冠水の時だけは芯に溜めない。芯が止まると脇芽から 初花を見るのに日本では熱帯地方の3倍かかり、仕立て直しをすると作落する。 新根の先端に触れない。
C害虫、風通し−ダンゴ虫の好物はPhalの花芽とV.の新根、葉に溜めた水分を早く乾かす為1年中送風は大切。黒点が出たらファ イサンを濃い目に溶き、塗る。
求める時は日本の専門業者まわりか個人輸入で 宅配便は簡単で流行している 。handcanyで持ち込む場合、成田での検疫官はものぐさそうな人を選ぶ。パッキ ングを全部開けられたら、V.の根は、乾燥しているので折れやすい。 実生で未 開花の株以外は、下部位に花が咲いた跡のある株を選ぶ。切っても叩いても数年 花付の悪い株もあるので株立が立派な万作に近い株はさける。小さい苗から始め た方が気候にも順応してくれる。 好調に生育すると、宝くじに当った様に2本よ ってきたり、年2回開花するので、気合を入れてトライしてみる価値は充分にあ る花だと思います。


Return to cultivation Page