〈栽培ポイント〉

カトレア整形大輪花のつくり方

You Can Raise Cattleya Big F1ower.

・池谷正之 Masayuki Iketani


カトレアの整形大輪花は、 そのほとんどが交配種です。親の性質を受け継い で、その季節に忠実に開花するものと、不定期咲きがあります。これらの中から 丈夫で花保ちが良く、咲き易い品種が 初心者にも向いています。 以下は私の温 室での栽培のあらましですが、鉢数が少なければ室内栽培も可能です。ただ満点 に近い花はどうしても咲ききれません。
4月、新芽が顔を出します。小指の頭ほどの大きさで、植替えの適期ですが、 方法はベテランの方のを見せてもらうに尽きます。本に書いてあることは、あと でじっくり読んで下さい。春咲き種は花が終ったらすぐに植替えです。新芽が5cm 以上に伸びてから初めての肥料を与えます。ハイポネクス(6.5・6・19)又はピ ータース(18・18・18)の3000倍〜5000倍の液肥を週1回、この時メネデールを少 し混ぜます。夏咲き種は新芽が10cm以上に伸びています。シースが完成するまで の間、液肥でぐんぐん育てます。秋、冬咲き種には5月末から7月にかけて玉肥( 置肥)を4号鉢で2箇、これは月1回与えます。次に真夏までの間に、2回消毒しま す。ペンレート1・5gを水で練ってから1lの水に溶かし、茶こしで渡し、この中 にカルホス1ml、エカチン1mlを混ぜて噴霧します。6月には温室の窓を開け放ち 風を通します。夏咲き種は咲き始めます。秋、冬咲き種はシースをつけたまま夏 越しです。7月下旬すぎから置肥は止めます。シースが出来てから、再び新芽が 伸びて来ることがあり、その株には5000倍の液肥を1〜2回与えます。秋咲き種は10 月開花期です。冬、春咲き種はシースを付けたまま菅の出るのを待ちますが、 この間置き場所を移動しないことです。10月下旬までには外に出した株も含めて 全部にもう一度消毒をし、温室に取り込みます。鉢にはダイシストン粒剤をスプ ーン半分ほど置き、カイガラムシ退治を計ります。ナメクジには年間を通じて専 用の薬で対処します。秋の長雨には当てないことはもちろんでこの時期の潅水は 控え目です。真冬は晴天が続き鉢が乾きますから、花の咲く寸前の株には水をた っぷり与えます。温室の最低気温は16℃〜17℃を守り、床に散水します。加湿器 は使いません。全期間を通じてシース付きの株には、バットグアノをスプーン1 杯与えます。2月に再びカイガラムシ退治用のダイシストンを 与えます。1月か ら咲き始めた冬咲き種は次々と開花し、カトレアの本格的シーズンを迎えます。 日照も肥料も潅水もそれぞれ大切ですが、病虫害の予防、駆除が先ず第一です。 これを怠ると満足な結果は得られません。ウイルスは葉、茎、根の『傷』から入 ります。害虫の刺し傷、噛み傷からも感染します。また銃は消毒、滅菌(ライタ ーの 火でよい)すること、葉や茎を止めたワイヤーも一度使ったものは絶対に使 わないことです。お彼岸を過ぎると、春咲き種の開花です。私の好きなアイリン フィニー、この花を咲かせるたびに、春の息吹きを感じ、また1年カトレアづく りに精を出そうと勇気が湧いてくるのです。


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