「 輝き 」

 
   

梅雨の空、
今にも泣きそうな曇天の日が続く。
元気なのは、アジサイとカタツムリくらい?
いやいや、我が家の温室ではナメクジが暗躍しています。

アジサイの花って不思議?
決してあでやかでもないのに、
季節のなか、
小雨の煙るなか、
雨上がりの輝いた陽のなか、
鮮やかな緑のなかに、
紫・紅の群れた花が眩いばかりの輝きを放つ。
ガクアジサイだって素敵ですよ。

ニィーニィーニィー・・・・
セミだって鳴き始めました。
わずかな命の時のなかで。

神様が創られた自然からの贈りもの、
どんな命だって、光り輝くときが必ずあるはず。
皆さんはどうです? どうでした?
ピチピチと、元気いっぱいに飛び跳ねてたころ?
我を忘れて仕事に打ち込んだ、バイタリティーに満ち満ちていたころ?
いやいや、年輪を重ねつつ・・・これから光を放つことも。

自称中年太りが悩みのたね、
煎餅をかじりながらテレビと談笑する家内を見るたび、
「あなたも・・・輝いていましたよ、確かに。」
「春、夏、秋、冬
どんな季節を彩る、どんな花よりも美しく・・・・・・私が保証します。」
「だって私が射止めた人なんですから・・・。」
いつだって・・・そう思う。

温室のなか、
人知れず萎えた花に気づくことがある。
その素敵な花は、
故郷の山でもっともっと輝いていたんだろうな、
伴侶との運命的なふれあいを求めて・・・。

温室の片隅でひっそりと咲いている花へ・・・、
暖かい心で愛でながら、
そっと、やさしく声をかけてあげよう。
「ゴメンネ」そして「ありがとう」

 
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