皆さんによる意見・希望・質問コーナー

Question & Answer Corner

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蘭気痴さん  (埼玉)          000609

Q: 早速ご教示いただきましてありがとうございます。非常に勉強になりました。ただ、大変申し上げにくいのですが、私の質問内容と少し異なるご回答であるの
で、少々戸惑っています。と、申しますのも「加湿上限」ではなく「加温上限」についてのご説明を仰いだつもりでしたので、私が文章的に誤解を招きやすい表現を用いたために、大変申し訳ございませんでした。そこで、何度もずうずうしいとは存じますが、再度先生に「冬季夜間の上限温度」について、ご教示いただければ幸いです。どうぞ、よろしくお願いいたします。

A: 蘭気痴さん、本当に申し訳ございません。私は最近極度の老眼と乱視で、よく見ておりませんでした。早合点して申し訳ございません。’温’と’湿’が見極められなかったようです。

 さて、冬の夜間の上限温度についてですが、結果的にはきわめて簡単です。また下記同様、自然について考えて見ましょう。熱帯や亜熱帯では乾季と雨期がありますが、一年を通じてさほど大きな変化はないようです。もちろん高いときには35度を超えて、湿度も極めて高いような時期もあるでしょう。そして、一般的ですが、ランが健全に生育する気温の最高温度は25度くらいに設定することが多いようです。先に述べましたように、さらに高温の時期もありますが、夏でも冬でも(このような表現をしてはいけないかもしれませんが)最高温度を25度くらいにするのが理想とされています。しかし現実的には、不可能な温度ですね。冬ですと、外気を入れることにより最高温度を25度くらいに抑えることができます(外気を入れる場合には乾燥に注意)。しかし、太陽光を十分い入れるとやはり難しいのではないでしょうか。でも、特に心配はいりません。理想的には25度としますが、実際には少々高温でもかまわないということです。昼間の高温より、むしろ、夜の低温の方に気を遣いますね。そして、問題の夜間の最高温度についてです。普通、夜間の最高温度は設定温度の3~4度高めの温度になります。従って、夜間の最高温度の問題はやはり、最低温度を何度にするかということと同じ問題になります。なぜなら、暖房機は設定温度でスイッチが入り、適当に温度が上がると(暖房機によって異なる)切れるからです。実際には、ロスやサンデリアナムのように最低温度を20~22度で栽培する方もおられるくらい、これらの種はいわゆる高温が好きなようです。また、東南アジアの奥地に分布するようなベナスタム、フェイリアナム、エスキュロレイ、アルメニカム、ミクランサム・・など、は比較的低温を好みます。この仲間のほとんどの種は15度以下、特にアルメニカム、ミクランサムは10度以下となります。その中間の種は、最低温度を15度くらいにするのが普通ですね。さて、おそらく蘭気痴さんが気にされているのは、夜間の最高温度が高いと、花芽が分化されないのではないかという心配だと思います。これに関しては明確な答えはありません。しかし、花芽の分化は確かに夜の最低温度に依存していると思われますが、条件はそれだけではないと思われます。花芽の分化を決定している条件は種により異なるかもしれませんが、温度のほかに、株の成熟度、栄養条件、さらには日照条件なども影響していることが考えられます。私は、冬の最低温度を20度以上にして栽培しても開花するたくさんの原種(中温・低温性のもの)を見ています。従って、ただ温度だけでこの問題を処理するのは必ずしも正しくないと思います。蘭気痴さんのお好きなバーバタ節の種は高温(夜の最低温度20度、最高温度は25度くらいになる?)で栽培しても花を咲かせると思います。試してみてください。もしだめならその理由を考えればよいと思います。温度以外の条件があるかもしれません。簡単に申し上げると、特殊な種でなければどんな種でも比較的高い温度で栽培してもかまわないだろうと思われます(ちょっと、言い過ぎかな?)。特殊な種の中にはミクランサムやアルメニアカムなどがあります。これらの種については、多くの趣味家が同様の問題を抱えています。これについては、第一回パフィオペディルム・サロンの内容をごらんになってください。参考になるかもしれません。

Q: 自分は原種が好きで、というより原種しか持っていないんですが、特にBarbata節に属する種類が大好きな者です。(花も好きですが葉の模様が素晴らしいですよね。何故洋蘭書籍は花だけ写しているものが多いんでしょうか?)
 唐突で恐縮ですが質問させていただきます。野生蘭の栽培指南書などでは、フレーム栽培等の冬季夜間の加温上限を解説しているものがあり、非常に参考になっているのですが、こと洋蘭界では最低温度は記述されていますが、夜間加温上限については、自分の勉強不足でしょうが見たことがないです。何かの雑誌の記事に「夜温20度では、Sigmatopetulum亜属は咲きにくくなる云々 」とわずかな記述が唯一です。そこで冬季夜間の加温上限についてご教示いただきたいのです。様々な原種を同一の環境で栽培しなければならないので(というのも室内温室を使っていますので、高温性と言われている種族と中低温性といわれているものが同居せざるを得ません)最大公約数が一体何度位なのか知りたいのです。これから夏になる季節に冬の話は結構ナンセンスな気がしますが、どうぞよろしくお願いします。

A: 確かに温室内の湿度に関わる記事はほとんど見られませんね。でも、注意して見ると、湿度について推察できる程度には説明してあるものもあります。解説の中で60%だとか70%というような具体的な表示がされていないので、解りにくいのかもしれません。そこで、冬の温室内、あるいは、ワーデイアンケース内の湿度についてお話ししましょう。しかしこれを語る前に、自然での湿度を考えなくてはなりません。自然では、年間を通して多湿と考えられます。熱帯や亜熱帯での乾期は、砂漠のような乾燥を意味するものではなく、雨がほとんど降らないとう意味でも湿度はかなり高いと考えられます。昼の湿度は湿度は場所や時期によりまちまちです。しかし、夜になって気温が低下してくると、ほとんど例外なく霧を発生しているようです。すなわち、湿度100%を意味します。したがって、パフィオは水がなくても、この霧が露結する事により葉に直接水分が供給されるばかりでなく、根やその周辺をしめらせることにより水分が供給されていると考えられるのです。ところが、我々の温室内では全く反対の現象が起こっています。冬の夕方、例えその時の湿度が比較的高い状態(合格と言えるコンディション)であったとしても、暖房が入ることにより温度が上がり、それに伴って湿度は低くなります。したがって、温室内は夜になると温度が高くて湿度は低くなります。このような状況では株は呼吸が盛んになり、消耗してしまいます。とくに、空気を暖めて放出するタイプの暖房機ではこのような現象が顕著です。一方、温湯による暖房の場合は湿度が保持され、いい状況が作れるようです。さて、質問に対する回答に戻りますが、今までの説明でも大まかには理解していただけたかと思います。原則的に湿度の上限はありません。100%になって、霧が発生するのが理想でしょうが、それを我々の環境に当てはめて理想と呼んで良いものかどうか解りません。なぜなら自然環境のように開放形でないため、空気の流れが少なく、株が病気になりやすくなったりすることも考えられるからです。もちろんこれは、扇風機により空気を拡販するなど、工夫すれば乗り越えることは出来るでしょう。でも、温室全体にわたっていい状況(環境)を作ることは極めて困難と言わざるを得ません。現実的には60%くらいが良いのではないでしょうか。温湯暖房では、それ以上に上がると思います。しかし、FF暖房を含めた通常の暖房では、乾燥(どの程度乾燥しているかは、まちまち)しているのが普通で、湿度を上げるのには特別な工夫が必要です。これとて、なかなか現実的ではありません。私の温室も、例に漏れず不満な環境です。なんとかそのような問題に対応するために、冬でも晴れた日には温室内の路地や棚下に水をまき、水分を補給できるように心がけています。結果的には、これでも不十分です。解決には、大きな温室(100坪くらい)にするか、温湯暖房にするかになります。一般の趣味家には、後者の方が最も現実的な解決策かもしれません。経費はかなり高くなりますが・・・。お解り頂けたでしょうか。扇風機を使って空気を十分に拡販し、湿度は少なくとも60%以上は保持したい・・・です。 


Q:先日、アルメニアカムの苗を入手し、クリプトモスに植えて、先生のHPを参考にしながら、渇かない様に毎日注意しながら管理していました。(室温、日中20℃
前後、夜間10℃前後)
 植替えて2週間も過ぎると下葉の先が渇いた茶色に変化しだし、戸惑いながら
も、取り敢えずダコニール1000を薄めた液+スミチオンを薄めた液を1度軽く散布
して、様子を見ていましたが、他にもう1枚、同じ様に変化してきた葉が出始めました。色々と情報を探しました分からず、昨日、「もしや水のやり過ぎで、根が痛んでいるのでは?」かと思い、クリプトモス毎を丁寧に引き抜いた所、じっとりとかなり濡れた状態でした。又、根の一部も黒っぽくなっていました。このままでは、根腐れ・・・と思い、まだ根が活着していない様だったので、先生のHPを参考にして作ったミックスコンポストに植え直しました。又、気のせいか、葉の方も真中あたりが、心持白っぽくなった様にも見えます。
 勝手の想像で処置した後で、お聞きするのは大変失礼かとも思いますが、植替え後に先葉が茶色になる事の原因で、考えられる事がございましたら教えて頂きたく宜しく御願いします。尚、現状は半日陰の室内で様子見中です。

A:まず、温室で栽培していない場合には、夜温が10度くらいの時は、植え替えはしないようにします。まだ、早すぎるのです。基本的には、温室がない場合5月の連休を過ぎたくらいでしょう。温室がある場合には、1月から2月がベストだと思います。しかし、アルメニアカムは低温を好みますから、10度でもよいかも知れません(経験がないので解りません)。アルメニアカムを用いた交配品種の場合には、適切な温度は交配相手によるでしょうし、同じ兄弟の中でも遺伝により個体差がありますので、何とも言えません。うかがった症状については、温度が原因かどうかは分かりませんが、状況はよくないのは間違いないでしょう。
 私のHPで病気とその治療を扱ったサイトがありますので、詳しくはそれを呼んでみて下さい。病気の心得の所を読んでいただければよく解ると思いますが、薬を使ったり、植え替えたりして状況がよくなったとしても、株に現れるのはずっと遅れます。悪くなるのは早いですが・・・。従って、状況が進展しないからと行って、新手を打つのは最悪です。自分の行動を信じて、耐えることが大切です。根が黒くなると言うのは、どのような状況なのか解りませんが・・・、本当に腐ってきているのなら根腐れで、植え替えの失敗と言えるでしょう。
 最も良い方法は、購入した所へ持っていって相談することです。親切に教えてくれると思います。本当に状況が悪い株は、できるだけ早く処置をすることが必要ですが、不必要に弄りすぎるのは問題です。思いつきではなく、十分に考慮して行動をとってください。
 写真を拝見すると、確かに判断が難しい症状ですね。写真とお話を伺うと、まず、思いつくのは塩障害の症状です。塩障害は冬の眠りから覚めた株が、春になって新しい根を伸ばそうとしたとき、新根の周りに必要以上の塩があると浸透圧の異常から障害が起こるもので、簡単な原因で、また、簡単な症状から取り返しがつかない重大な結果を導くことになります。気づいたら、できるだけ早く清浄なコンポストに植え替えることでしょう。植え替えられない場合には、大量の水で洗い出す(本当にどれくらい洗えるかは解りませんが)しか方法はないでしょう。この苗は最近購入したものなのでしょうか。購入してから、比較的考のどの肥料を与えたりはしていないですか。温室で栽培していない場合には、肥料をやるにしても、今(4月の始め)は早すぎます。株の状態から見ると、微生物の感染によるものではないと思います。しかし、このような症状が出て葉が冒されてくると、この葉に改めてカビなどが感染してその症状を出すようになります。ここまで冒された葉は、取り去った方がいいでしょう。葉を取った切り口には、ペ^スト状のベンレートを塗る方が無難です。また、植え替えてからどれくらい経過したか解りませんが、質問にあるような植え替えにより起こったものではないと思います。また、株の中央部が白っぽくなった感じるとありますが、株(葉)が生育しているのでしょうか。もともと濃色だったものが薄くなったのなら、特殊な薬剤(ナメキールなど)が原因などのこともありますが、あまり考えられないことです。生育して、その環境が、例えば、太陽によく当たらないところだとすれば、生育した部分が白っぽくなると思います。状況が十分に掴めないので、よく解りませんが・・・。

次に続く

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