パフィオペディルムの変種(アルバム)

Paph. galucophyllum var. moquetianum のアルバム個体
(これは本物のようですね?)
  ドイツからPaph. glaucophyllum var. moquetianum fma. flavoviride (album)が咲いたとのことで、その写真が送られてきました。これは、どうやら本物のようですね・・・(偽物であるという疑いを持たせるものがない)。

ドイツから届いた moquetinum fma. album の写真。albumの花形は、moquetianumの普通個体の花形(シルエット)と同じようです。スタミノードの形も glaucophyllumのもの、そのものです。

左の写真は、Braem博士によりmoquetianumのalbum個体を

Paph. glaucophyllum var. moquetianum fma. flavoviride

という種名で正式に記載されたときのもの。同じ個体ではないようですが、シルエットはglaucophyllumですね。スタミノードがポーチの中に潜り込んでいるので、その形状が確認できないのが残念。

国内でのglaucophyllum album事情: 何時頃だったか正確には思い出せませんが、東南アジアのある国から glaucophyllum album xself のフラスコが輸入され、私も早速このフラスコを買い求めたことを覚えている。さて数年を経て、この交配が咲き始めてから、予想通りの混乱が起こり始めた。この交配が本当に本物なのだろうかという疑問を聞き始めたのです。業者の中にはchamberainianumのalbumという種名で販売し始めたところもあった。

 ある時(何時だったか覚えていませんが、2~3年前)、日本パフィオペディルム研究会(JPA)のサロンで偶然にも4株ほどの同じ交配(兄弟株)の花が展示されたことがあり、これらの花を比較してその真偽を議論した。そしてJPAでは、以下のような理由により、この交配はglaucophyllum ではなく、Primulinumが係わった交配に違いないという結論に至りました。

1) 花のシルエットがglaucophyllumのそれとは異なっているようだ。
2) 4つの花のスタミノードの形を比較するとまちまちで、そのほとんどはpriimulinumのものに似ている(先端にくびれが認められる)。glaucophyllumのものがほとんどない。しかし、なかの一つの花では、スタミノードはglaucophyllumのものに酷似していた(写真下)。このような花を審査するときには、真偽の判断に迷うことになるだろう。

いずれにせよ紛らわしい交配であることに結論付けられたわけです。ただし、日本国内にあるとされている glaucophyllum album のすべてがニセ物と断定しているわけではありません。その株のルーツと、形態などから判断してください。

取り敢えず真偽の判断は、スタミノードの形態を見ることからはじめることをお勧めします。

スタミノードの比較

(Dr. P. Cribbによる Paphiopedilum から)
セパルは比較的小さくprimulinumタイプ。しかし、スタミノードの形態はprimulinumのものではなく、glaucophyllumタイプであることに注目して欲しい。このような個体が、タイから輸入されたフラスコには混じっているので注意が必要であろう。

以上に結果から、この度ドイツから紹介されてきたPaph. glaucophyllum var. moquetianum fma. flavoviride は日本でよく見られる(glaucophyllum album x self) とは係わりがない、本物のようです。glaucophyllumのalbumについては慎重にならざるを得ない我々日本人の立場と視点から判断しても、そのような結論になるのではないでしょうか。

ご意見がおありの方は何なりとお寄せ下さい。お待ちいたしております。

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