ミヤンマーのPaphiopedilum

 この度、ランの本(新刊)で紹介しているミヤンマーの野性ラン(地上最後の楽園)全6巻:日本語ー英語二次元対訳版の著者 田中良高博士により、ミャンマーの知られざるパフィオペディルムの自生の一部を紹介して頂きました。博士は、自宅はバンコクの郊外にお住まいですが、ミヤンマーにほれ込み、ミヤンマーの少数民族の生活改善を手がけて毎月ミヤンマーに通い詰めているとのことです。040110
 新刊につきましては、皆さんの役に立つニュースを参照してください。また、下に紹介するパフィオペディルムについて、もっと詳しく知りたい方は、是非、本をご覧ください。
 田中博士は、ミャンマーへ行かれる度にランの自生地の写真を撮り続けておられ、貴重な写真が山のように蓄積されています。その一部は、ミヤンマーの野性ラン(地上最後の楽園)に収録される予定ですが、その写真を含めて貴重なPaphiopedelumの自生写真をこのサイトで紹介して頂ける事になりました。その都度、皆様に紹介したいと思います。ここで紹介するものはその第一弾で、charlesworthii f. albumなどは次に発刊される号に収録される予定だそうです。
 現地の生々とした写真と共に、かつて東南アジアのどこででも見られたと思われるものの、今となっては夢のような話となったPafiopedilumの群生などを鑑賞して頂ければ幸甚です。これらの写真を見て、Paphiopedilumを愛する皆さんが感じられる事は同じだと思います。皆さんと一緒に、この残されたすばらしい自然を、静かに暖かく見つめていきましょう。

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 2004年5月8日に、タイの田中先生から送られてきたベラチュラム・アルバムの写真です。先生は、最近、「ミャンマーのラン」第二巻の原稿を書き終えられたところだそうですが、この取材中、久々に見つけたベラチュラム・アルバムの花の美しさに感激したそうです。湯気が上がっている撮りたてホカホカの写真です。やはり石灰岩の割れ目に根を下ろしているのですね。第二巻も、とても楽しみですね。

 第2巻は石灰岩の岸壁に咲くビローサムのアルバやチャールスウオーシーのアルバを紹介します。これらは全く採集していません。この地区は軍事境界線内で極めて危険な所で、普通行けるところではありません。外人では私が始めてでしょう。まだ、第2次世界大戦の遺骨収集もされていないところです(田中良高博士)。

山中で静かに先咲き誇る Paph. charlesworthoii forma album
いったい誰に見てもらいたいのでしょうか?

  石灰岩の岸壁についたチャールスのアルバムです。腐葉土が薄く積もった岩の割れ目にしがみつくように自生しています。200mmの望遠レンズで撮影しました。この岩場には40−50株が散在していますが、アルバムの花期は普通種より2ヶ月くらい遅れて開花していました。誰も知らないところで何十年・・・も生育しているのでしょう。ここはミヤンマーでもブラックゾーンといわれる危険地帯です。採集しないでこのまま静かに見守りたいと思います(田中良高博士)。

Paph. charlesworthii の群落

パフイオペデイラム属 (文章抜粋)

 特異な花の姿、稀少性など多くのコレクターを魅了するPaphiopedilum(パフイオペデイラム)。東南アジアでは乱獲が進み、自然に生育する姿を見ることは非常に難しい。

ミャンマーには9種顛のPaphiopedilumが確認されている。しかし、北はヒマラヤ山系につながる6000m級の高山帯、インド、中国、ラオス、タイの国境地帯、南はマレーシア国境に近いアンダマン海の海岸線など多くの野生ラン生育適地がある。それらの地帯は調査がなされていないために、多くの種顛の発見が期待される。近隣諸国では絶滅に瀕している種類も多く、適切な保養と増殖が緊急課題である。

 今回の調査ではPaphiopedilum bellatulumの数万株におよぶ大群生を発見した。低雑木の陰に隙間なく、絨毯のように群生する姿は、まるで人間に発見されないよう隠れて生育しているようである。しかし、近辺まで少数民族の焼畑による開墾や家屋建設が進んでおり、絶滅も時間の問題で、これらの映像記録をとどめることも最後になると思われる。我々に開発を止めることはできない。最大限できることは、これらの一部を採集し、植物園で保存、増殖することが我々に残された唯一の選択でしかない(田中良高博士)。


 

  全山、デンドロ・ベンソニーで埋まっている桃源郷です。ここには山岳民族の家を泊まり継いで2泊3日掛かります。3月末には全山、黄色く染まります。この花盛りを撮れば第2巻は完成です。ここの山は残念ながらパフイオはありません。環境が異なるのでしょう。セロジネの山もあります。誰も知らない桃源郷です。誰も行ける所ではありません(田中良高博士)。

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