北欧蘭会議 (デンマーク) NO.2

この花もメダルは獲得できませんでしたが、とても興味のある花です。この花はパリッシーという種名で展示されましたが、所有者の話よると、この株はおよそ10年くらい前に、中国の南部で採集された株だと言うことで手に入れたそうです。実は、中国の南部にはダイアンサム(Paph. dianthum) しか見つかっていませんので、パリッシーが分布しているとは考えられません。また、普通のパリッシーと比較すると株は小さく、その花の数は多くありません。花をよく見ると、ダイアンサムとパリッシーのちょうど中間的な花のように見えます。

Paph. parishii in China

中国で発見されたというパリッシーのスタミノード ( 上記 )

真っ黒な花を咲かせているのはビニカラーのマクリとロスチャイルディアナムを交配したアストロボーイ(Paph. Astro Boy : Makuli x rothschildianum ) です。この花は審査株の中には入っていませんでしたが、所有者は花が一輪しか咲いていないので審査を受けても入賞しないだろうと思ったそうです。しかし、色彩と花の形、いずれをとっても申し分がなく、将来が楽しみです。

Paph. Astro Boy

めったに見られない交配のグロコパー(Paph. Glaucopar : glaucophyllum x parishii )です。色彩が魅力的で、よく似た交配 としてチャンバレーニアナムとウィリヘルミニエとの交配も見られましたが、ここではビクトリア・レギナよりチャンバレーニアナムを用いた方が良い色彩を出していているようです。交配者は交配親にガーディネリーという種名を用いていますが、これは疑いもなくウィリヘルミニエ(wilhelminae)です。

Paph. Glaucopar

私は、ハンス・クリスチャンセン(Hans Christiansen) のコレクションの中からとても興味ある種を見つけだしました。おそらくフラグミペディウムの未記載の新種か、自然交雑種と思われます。

Phrag. sp

ドイツで交配された新しい品種の中から、面白そうなものをいくつか紹介しましょう。先月くらいから色々な新しい原種交配の花が続々と咲き始めました。特に興味を引かれるものには多花系の原種で、大きな花を咲かせるコロパキンギー(Paph. kolopakingii)を用いた原種交配の花です。そのほとんどはフランツ・グランツ(Franz Glanz)氏によるもので、本当の初花です。まずは、ヘニシアナムとコロパキンギーとの交配、次いで、ローレンシアーナムとコロパキンギーとの交配です。両者とも、株は比較的コンパクトですが、花はとても大きなものです。

Paph. hennisianum x kolopakingii

Paph. lawrenceanum x kolopakingii

しかし、コロパキンギーを用いた交配の中でも最もすばらしいものはアルメニ・ホワイトとの交配でしょう。とても小さな株なのですが、い1本のスパイクに写真のような白色系の大きな花を2つ着けていました。まさに、最高の交配の一つと言えるでしょう。
Paph. Armeni White x kolopakingii

未登録ですが、ローウィーとアダクタムとの交配も濃色で素晴らしく大きな美しい花を咲かせていました。

Paph. lowii x adductum

とてもよく知られている交配、ロングフェロー・セレナード ( Paph. Longfellow Serenade ) です。交配親のスクハクリとサンデリアナムの特徴がよく出ています。
フィリピネンセの替わりに、その変種であるロェベリニー ( Paph. roebbelinii ) を用いたアルメニアカムとの交配種、マイケル・チブス ( Paph. Michael Tibbs ) です。濃色のとても美しい花を咲かせてました。

Paph. Michael Tibbs

アマビル ( Paph. amabile )とサンデリアナム ( Paph. sanderianum ) との、とても珍しい交配です。本物より写真の方が良く見えますが・・・。この交配は、ブレニアナムを用いたものよりアマビルを用いたものの方がいい結果を出しているようです。

Paph. amabile x sanderianum

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