• 春蘭 の灌水
      灌水作業は春蘭に水分を与えると同時に、鉢の中に停滞している空気を鉢外に押し出し、
      新しい酸素を補給して行く事で通気を良くし、根の機能を旺盛にする事も加味されています。
      灌水の基準は、使用する鉢、用土、置き場所等に左右されますが、基準として、
      休眠期を除いては、表面の用土が乾いてからの灌水になります。
      灌水間隔を大体4日〜5日を基準に調整して下さい。

  • 春の灌水
      春は根が活動し始める季節です。
      温度の上昇と共にラン菌根菌が活性化します。
      適温、適湿を心がけます。
      灌水間隔をやや狭め、表土の乾き具合を見てまめに灌水します。
      鉢の内部では新芽が活動し始めています。
      採光も多く採るので、用土の乾きも早まります。
      春はこれに合った灌水となります。
      晩春ともなると、待望の新芽が土を切って出てきます。
      この季節の灌水は水を切らさない事で、
      ”過多を戒め、足らざるを憂える”です。
      この時期はラン自体も旺盛に生育しています。
      表土が乾いたら充分に灌水し、2日後に施肥します。
      肥料を与えて、2日〜3日後に洗い流す様に灌水する。
      この時期の灌水はこの繰り返しになります。

  • 夏の灌水
      空梅雨の場合の灌水は頻度や量に手加減は必要有りません。
      表土の乾きで灌水します。
      曇天、雨天で晴れ間に乏しい様な梅雨では空気中の湿度が高いので、水分の蒸発も少なく、
      灌水も控え目に、むしろ土を乾かし気味にした方が無難です。
      梅雨が明けて7月頃ともなると、日照りが強く気温も上がります。
      寒冷紗50%位の遮光下での栽培となります。
      用土の乾きもことの他激しくなります。
      表土が乾いたら灌水となりますが、灌水は夕方日が落ちてから
      鉢内の温度を下げるつもりで、多めに行います。

  • 秋の灌水
      酷暑が過ぎて秋口になると、新子もほぼ完成された姿となり、ラン株としても充実し
      生育の進んだ株は、押し子迄出して来ます。
      この季節の灌水は夏期から見るとだいぶ楽になりますが、
      灌水の重要度には変わりが有りません。
      外気の空気は案外乾いているので、乾き過ぎに注意します。
      夕方の灌水に変わり有りません。
      秋は植え替えの時期です、植え替えた株は約1ヶ月間毎日灌水し、
      鉢中に酸素を補給する気持ちでやります。
      根と用土が早く馴染むようです。

  • 冬の灌水
      日も短くなり、秋風が肌にしみる頃、新子も立派に成長し、
      植え替えも済んで蘭栽培も一段落です。
      関東では11月下旬、一霜有ってから冬越しの準備に入ります。
      灌水も午前中の暖かい時に切り替えます。
      午前中に灌水を終え、夕方迄には鉢の表土に水気が無くなる様だと理想的です。
      12月に入ると休眠栽培へ切り替えます。
      休眠栽培へ切り替わると殆ど水分の蒸発は押さえられます。
      3月までは月に1回の灌水となります。
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