• 葉面散布について
      根が肥料当たりや病害等で甚だしく機能が衰弱している場合、
      (ボカシ肥料が完熟していれば根当たり障害は有りません。)
      根を処理して新しい用土への植え替えますが、
      新根が下りる迄は葉の気孔からの栄養補給となります。
      栄養剤として植物活力剤を噴霧器等で散布します。

  • 春蘭の根と肥料
      ランの根は他の草花の根に比べて太く、細毛が少ないのが特徴です。
      根は水分を含んだ細胞で構成され透明に近く、
      肉眼で見る
      健康な春蘭の根は白に近い淡い褐色をしています。
      春蘭の栄養源は根の皮層部で繁殖するラン菌根菌が関わっています。
      ラン菌根菌は糸状でRizoctonia属の菌糸と言われています。
      蘭植物体の細胞核周辺で消化され蘭の栄養分となります。
      従って、
      春先の根はラン菌根菌の活動も停滞している為、根は白く見えます。
      春になり気温も上昇してくるとラン菌根菌が繁殖し根も淡い褐色を呈してきます。
      蘭の生育は如何に根菌の繁殖に良い環境を作るかと言う事になります。
      水分を多く含んだ太い根は保水性があり、
      多少の水切れにも耐える事が出来る様になっています。
      少し位い灌水が遅れても心配有りません。
      むしろ
      灌水が多過ぎて、絶えず根の周囲が過湿状態にして置くと、
      冬の厳冬期には凍結により根を傷めます。
      夏の高温下では、根が茹で上がってしまいます。
      何れの場合でも細胞が壊死してしまい、ラン菌根菌の繁殖が不能です。
      根の周辺に高濃度の肥料が覆っている事も、根の皮層部からの空気と水分、養分の
      吸収バランスが良好な環境を維持出来ません。
      高温と水分過多と高濃度の肥料は根の皮層部表面に雑菌の繁殖が旺盛になり
      根の細胞おも侵してしまいます。
      従って、
      真夏の太陽が昇る日中は、水分を少なくするため、午前中の灌水は厳禁です。
      真冬の低温下では、午後に灌水すると、水切れが悪く、夜間の低温で凍結の恐れがあります。
      真冬の灌水は、雨天の日の午前中が凍結の心配が少なく最適です。
      真夏、真冬は、蘭にとっても非常に厳しい時期です。
      この時期は、灌水過多に注意し、肥料を与えてはいけません。
      以上の事を念頭に健康で丈夫な根を作る事が、
      蘭栽培の成果が期待出きます。

  • 私のボカシ(発酵肥料)の作り方
      時期は厳冬、盛夏を除けば何時でも可能です。
      厳冬期及び盛夏時は施肥しません。

      米ぬか1リットル
      SFS10ml
      AfB10ml
      Vff10ml
      水40ml

      米ぬか1リットルを基準に記載して有ります。
      米ぬかの容量に比例して他の混合資材を調整して下さい。
      SFS等の混合資材は、趣味の市場を御参照下さい。

      全部を加えて充分攪拌します。
      全体にシットリとした感じで握ると形が出来て直ぐ崩れる感じにします。
      熱に強い容器に入れて密閉せず、適度の通気が確保出来る蓋をします。
      直射を避け日陰に静地し微生物に因る発酵を促します。
      時折、攪拌し好気性菌に因る分解で発酵を待ちます。
      醗酵が始ると甘い醗酵臭がして熱を発します。
      熱が治まるまで、毎日良く攪拌します。
      白黴が発生し、全体に白っぽくなります。
      醗酵臭を放ち発酵を続けます。
      約2ヶ月でやがて無臭に近くなり
      サラサラとした堆肥が出来上がります。
      しかし、
      水分を与え過ぎるたり
      盛夏時等、異常発酵をすると腐敗臭がして
      黒褐色のベトベトした堆肥が出来上がり、
      何時までも異臭を放ちます。
      これは、嫌気性菌による分解が進み、
      腐敗菌の堆積した肥料が出来上がってしまったからです。
      この場合は、ボカシ作りが失敗です。
      腐敗菌は根腐れ、ズボヌケの原因となります。
      蘭の肥料には使用しないで下さい。

  • 施肥方法
      栽培経験初期は、
      植込み時にマグアンプ等の置き肥やハイポネックス等化学肥料の施肥を御薦めします。
      施肥管理の経験を積んだ後のボカシ肥料の施肥が無難です。
      ボカシ肥料の施肥はマグアンプ等の置き肥との混用を避けた方が良いでしょう。

      ボカシ肥料を布袋に入れ、桶などの中で、10倍の水を入れ
      袋を揉み、浸出液を作ります。
      これに、更に10倍の水を入れて施肥します。
      施肥は葉や芽に直接掛らない様に鉢回りに行います。
      発酵肥料の施肥は4月から11月迄が良いでしょう。
      特に成長期の5月〜7月は月に2回〜3回の施肥を行います。
      12月〜翌3月迄は施肥しません。
      施肥の効果は直には表れません。
      新しいバルブに充分栄養を貯え
      翌年、翌々年の効果に期待します。
      直ぐに効果が出ないからと施肥を多くすると
      失敗します。
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