• 植込み鉢について
      春蘭は、自生地で見ると解りますが、地下の浅い所を這うように四方に根を伸ばしています。
      口が広く浅い駄温鉢等に植込むと鉢の内壁に沿って表面近くに根を這って回ります。
      駄温鉢での栽培も良いのですが、
      用土を多く使用する事と鉢の中心部が乾きにくい欠点が有ります。
      鉢数が多くなると置き場所にも困ります。
      春蘭の葉と花のバランスから見ると胴長の専用鉢の方が鑑賞するには良さそうです。
      胴長の鉢は鉢底の穴が比較的大きく作られています。
      つまり、下方からの通気を良くしておく事で、根が下方に伸びる様になっています。
      楽焼き鉢の様に側面を極薄く仕上げる事で、側面からの通気も良くしてあります。
      側面の通気を良くする為に専用プラ鉢の様に穴を空けてあるものも有ります。

  • 鉢の種類
      鉢の大きさを表すのに「何号鉢」と呼んで区別します。
      この号数は、昔の寸で呼んでいた名残です。
      例えば3.5号鉢とは、
      昔の3寸5分鉢の事です。
      つまり、1寸は約3センチですから鉢の外径が9センチです。
      5分は1.5センチですから
      3.5号鉢は鉢の外径が10.5センチの鉢の事です。
      春蘭の栽培には3.5号から5号位が多用されます。

      駄温鉢

      鉢底

      硬目に焼いた素焼きです。
      通常の山野草の栽培には適しています。
      春蘭の栽培には3号鉢に植込む程度には良いと思いますが、
      それ以上の鉢には不向きのようです。
      駄温鉢を使用する際は鉢底穴を大きくする必要があります。

      素焼き鉢

      鉢底

      質が粗いため鉢内が乾燥します。
      用土や置き場によって使用出来ます。

      笠間焼き鉢

      鉢底

      素焼き鉢より水持ちが良く、関東地方で多く用いられています。

      プラスチック鉢

      鉢底

      蘭を植えて観賞するには不向きですが、蘭棚で栽培するには軽くて丈夫で重宝です。
      鉢底、側面に通気穴が明いています。

      楽焼き鉢

      鉢底

      鉢底穴にはサナを使用します。
      蘭栽培に長年研究されて作られた専用鉢です。
      粗い土で薄く焼いてあるため、通気性が良く軽くて扱い良いのですが、
      それなりに壊れやすく高価でも有ります。


      縁を金で塗ったものや、錦絵で塗られたものなどが有ります。
      蘭と鉢が一体となって楽しむ鉢です。

      鉢底サナ

      鉢底穴

      サナを挿入

      蘭鉢として使用する鉢は底穴が大きくなっています。
      用土押さえに使用します。
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