〔交配親〕 Lc. Bonanza X Blc. Norman's Bay [交配系統図表示]

Blc. Mem. Crispin Rosales 原種構成比

C. mossiae	1.56%	L. purpurata	4.69%
C. labiata	15.63%	C. mendelii	6.25%
C. dowiana	29.69%	C. percivaliana	6.25%
B. digbyana	3.13%	C. warscewiczii	7.81%
C. gaskelliana	3.13%	C. lueddemanniana	9.38%
C. warnerii	3.13%	C. trianaei	9.38%

〔特　徴〕
濃いラベンダー色の大輪花を不定期に開花させます。充実したバルブには濃い色調の大きな花を２輪づつ着けるので、上手に仕立てれば見事な一鉢になるでしょう。温室がない私の家では気温が高い春から秋にかけての開花が多くなり、花の寿命が短くリップもきれいに開ききらないのが残念です。株の勢いは非常に強くて、４月に休眠から覚めるとぐんぐん新芽を伸ばし、バルブはマルマル太ります。バルブは紫色、葉は濃緑色で、見るからに強健そのもの。欠点を上げるとすれば、少々行儀が悪いことです。新芽は支柱を立てて丁寧に誘導してあげましょう。放っておくと、べったっと横にバルブを倒しながらだらしなく横へ成長してしまいます。見栄えがしないばかりか、冬に室内に取りこんだときに大事な収納スペースを占有してしまうことになりかねません。少々の不精にも枯らさずに育てられる点では初心者にも奨められる品種ですが、美しく咲かせようとするならしっかりと面倒を見てあげてください。ズボラな私は十分に目をかけてあげられないため毎年花は咲きますが、咲いた花は写真のような貧弱な花となってしまいます。メモリアクリスピンロサルスには多くの兄弟株があるようで、私が育てている’ビクトリー’のほか’コスタ　メサ’や’シャイニーモーメント’、’プリンセス　ミチコ’などがあります。かつて大流行の交配種だったそうで、世界各地で今なお再交配されているとか。AOS、ODCで７０個体以上、日本を含めると100個体もの入賞花があるそうです（ニューオーキッドNo.111 p.31）。

〔入手先〕
1995年にサカタのタネの通信販売にて一作開花株を購入。最近でも新しい入賞花のMCがあちこちの蘭園から入手できます。

〔育て方〕

• 植え込み　：　私は5〜7号素焼き鉢にミズゴケを使用していますが、株が強いので洋蘭用のコンポストで、それに見合った水管理を行えば何にでも適応してくれると思います。

• 置き場所　：　4月下旬〜11月中旬までは直射日光を避けられる庭木の枝などに針金などでぶら下げます。６月から９月の直射による強光線は何らかの工夫をして遮ってあげましょう。葉の色が濃く葉焼けに強いと思って油断したところ大焼けどをした経験があります。比較的強い光には耐えるようですが、やはり夏場の遮光はしっかりとしてあげたほうが安全です。私のように温室がない環境では気温が高い春から秋の開花になると思いますので、シースの中に小さなつぼみが見えてきたら、葉焼しない程度の強光線をあててあげるとよいと思います。冬の間は休眠してしまい、夏の間にまるまる太ったバルブにしっかりと養分を蓄えているようで、乾燥と弱光にもよく耐えます。冬の間の特等席は冬咲き種に譲り、この子にはいつも端っこで我慢してもらってます。
• 水と肥料　：　6月から10月までは毎日たっぷり水をあげましょう。朝よりも夕方気温が下がってからあげたほうが良いようです。室内に取り込んでいる間は、ミズゴケの表面がカラカラに乾いたら潅水してください。肥料は5月〜7月上旬まで。1000倍に薄めたハイポネックスを1週間に1回、水やり代わりに与えます。それ以外は全く必要ありません。