2000年11月のカトレア

11月下旬、晩秋。とうとう千葉県北部でも最低気温が10℃を下回るようになりました。無加温栽培の我が家でも、既に全ての株を部屋に取り込みました。これから来春4月までの5ヶ月間、カトレア達は部屋の中で暖かい春が来るのを待つことになります。この間、普通の家庭では最低温度はもちろんのこと、十分な採光にも気を回す必要があります。私も、鉢をあっちこっちに並べたり移動したりと気苦労が絶えません。洋蘭展に出品するような素晴らしい花は期待出来ないかもしれませんが、多くの品種は主人のライフスタイルに順応してくれると思います。中には不本意ながら枯らせてしまう株も出てくるかもしれませんが、それはそれで自分の栽培環境に合った品種を見極める貴重な経験になるはずです。

2階の出窓に並べた鉢

 
街路樹が色づく11月。ここ千葉県北部でも明け方の最低気温が10℃を切る日もでてきました。私もそろそろ全ての鉢を部屋へ取り込みます。左の写真は冬のメイン置き場となる二階の出窓。午前10時頃から午後3時ころまで日光が差し込むため、採光だけはまずまずの環境です。気温の低下とともに、鉢の乾き方がどんどん遅くなってきますので、無加温栽培ではこれから冬の間の潅水コントロールが難しくなります。参考までに、2.5号程度のミニ種はミズゴケの表面がカラカラに乾いたらすぐに潅水。ミディー以上の大型種は表面が乾いてから1日か2日待ってから潅水するようにしています。適切な潅水サイクルは、品種や栽培環境によってまちまちですので、一鉢一鉢株の様子に注意しながら調節することが必要です。
Sl. ジュウェル スター

 秋も深まり、園芸店に並ぶカトレアの種類も少しづつ増えてきました。夏花壇から冬花壇へと衣替えするこのシーズン、私は頻繁に園芸店へ足を運びます。ついこの前、通勤帰りのホームセンターで赤紫に輝くジュウェルスターに心を奪われ、迷うことなく連れて帰ってきました。この株は、ソフロニティスの血を引いたSl.オルペッティの子供に当たり、手のひらに乗るような小さな姿に鮮やかな色彩の花を展開します。オルペッティよりペタルがやや細身で株全体がスマートなのは、もう片親のL.スターリー スカイの血を引くからでしょうか。ソフロ系ミニカトレアはとってもコンパクト。置き場が無いけどいろいろ集めたい、冬の温度が十分保てない、という方にお勧めできる品種です。
Sl. Jewel Star
暖かい休日の日中は外で日光浴

 ここ千葉県では11月の下旬になっても、日溜りを感じる穏やかな日もあります。会社勤めの平日は仕方がありませんが、休日にこんな日が巡ってきたら思いきって外へ株を出してやることにしています。外に並べて霧吹きでシュッシュッとしてあげれば、葉に乗った埃も流れて気持ち良さそうです。でも乾燥した寒風にだけは注意してあげましょう。穏やかな日でも急に冷たい風が吹き始めることがありますので。。。
画面左下は私の庭仕事の友、十姉妹の親子です。私が庭に出ている間、カゴの底を外して芝生の上へ直接置いてあげることにしています。芝や小石を自由に啄ばめるように。。。
私の休暇日だけの特等席

 一階リビングの窓際の特等席。開花株までまだまだ成長が必要な大型種の苗を、休日だけここへ並べさせてもらっています。何年か後に立派な花を咲かせる苗の魅力も、素焼き鉢にただニョキニョキ生える飾り気の無いこの姿とあっては全く説得力がありません。花の女王カトレアよ!見事に咲いて皆をあっと言わせて見せような!!

 この鉢の普段の置き場所は、写真上の机の下。誰も入り込めない安全地帯です。

Sc. ビューフォート 'クレイイアー'

 ビューフォートにつぼみが上がり始めました。今年は2輪着けてくれそうです。私はビューフォートに特別な思い入れがあります。ずっと昔、高校生だったころ、初めて手にしたカトレアがSoph.コクシネアとSc.ビューフォートでした。育て方も何も分らず、初めて手にしたビューフォートは2年間花を見ずにそのまま枯らせてしまいました。いつか豪華なカトレアを、このビューフォートを咲かせてみたい、そう思ったのが洋蘭栽培を始めるきっかけでした。当時、ミニカトレアの代表種として赤のコクシネアと黄色のビューフォートが必ず並んで紹介されていたものです。花をふさふさに幾輪も着けたコクシネアとビューフォートを並べてみたいというのが私の目標なのですが、まだまだ腕が未熟です。
つぼみが上がる L. プミラ

 秋咲きのプミラにようやくつぼみが上がってきました。株の大きさに比べてアンバランスなくらい大きなつぼみが新葉を割って頭を突き出しています。開花まであと2週間といったところだと思います。昨年も1輪花を着けてくれたので、今年は2輪以上の開花を期待したのですが、やはり管理が適切ではなかったようです。プミラはコクシネアと並んでミニ種の作出に重要な役割を果たしているのですが、人気はいまひとつと言ったところでしょうか。アルバやセルレアなどの個体もあるのですが、なかなか手に入りにくいようで残念です。