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ワルケリアナが咲かない方へのアドバイス
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蘭展で毎回必ず聞かれるのが
「ワルケが咲かないけど・・」との質問です。

栽培環境や栽培方法をお訊きして
アドバイスをするのですが、ケースバイケースなので
正解はひとつではありません。

そこで、ポイントを整理してまとめて見ました。
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<質問 @ : 葉の色は?>

葉の色はどうですか?
青々としていますか?
それとも少し黄色みを帯びていますか?


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青みを帯びた色 黄色みを帯びた色

展示している株を参考に色を確認すると、多くの方が
「少し青っぽいかな・・」と・・

ワルケリアナの遮光率は50%(終日)が基本ですが、
栽培環境で時間が足らなくなるケースが多い様です。
そうすると、葉が青々として多くの光を取り込もうとします。

一方、十分に光が足りていると、少し黄色みを帯びた緑色になります。
黄色の光を反射して黄色っぽく見えるのです。

対策は、遮光率を下げるか、日が良く当たる場所に移動するか、となります。
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<質問 A : バルブの具合は?>

バルブはどうですか?
痩せていますか? 太っていますか?


「シワがよって痩せている」との答えが多くあります。

痩せる原因は2通りあります。
一つ目は、冬期の加温期間の夜間湿度の不足です。
二つ目は、根腐れによるものです。

夜間に加温すると湿度が下がります。
自生地では、朝方にかけ夜露が降りて高湿度になります。
葉水や加湿器などで湿度を保つことが大事です。

バックの葉が落ちている場合は、根腐れと思われます。
この場合は、植え替えるしか有りません。
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<質問 B : 根の具合は?>

根の具合はどうですか?

「鉢から飛び出ています」

適切な管理の場合は、根の殆どが鉢内や鉢の表面に収まります。
根が外に出ていると言うことは、コンポストが水不足なのです。

原因の一つは、水苔等が古くなって保水力が落ちているのです。
夏場の時期は、「受け皿」を使って保水する方法もあります。

また、水苔の堅さや水やりの加減で、水不足になる場合もあります。
堅すぎると水が届かず、根も回りません。
植え替え時に、根の回り具合をチェックしてください。

丁度良い堅さとは、水やり時に
ウォータースペースに一旦溜まった水が、ゆっくりと吸い込む程度です。
「スー」と抜ける鉢の場合は、2度やりが必要です。
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<質問 C : コンポストは?>

意外と色々なコンポストを使っている方が多い様です。
ご自分の栽培環境や栽培方法に合っていれば、何を使っても問題ありません。

一般論で言うと、日本の気候では
素焼き浅鉢に水苔植え」が、管理がし易いと言えます。

バーク等の新しいコンポストが紹介されると、直ぐ飛びつく人も居ますが、
最初の2年間は上手く出来ますが、問題なのはその後なのです。
3年間はじっと我慢して、評判を確認してから試しましょう。
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<質問 E : 肥料は?>

肥料は何が良いですか? と聞かれると

グリーンキング等の有機肥料をお勧めしています。
当店の施肥は、原則3月中旬と5月中旬の2回です。
液肥はやれれば、やった方が良いでしょう。

ホルモン剤や活性剤等は、特別の事情が無い限り不要です。
出来れば数種類の肥料(化学肥料を含む)を、順番に使用すると良いでしょう。
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<質問 D:消毒は?>

消毒は何が良いですか? と聞かれると

目的に合わせて「殺虫剤」「殺菌剤」等を使うのですが、
殺菌剤は、カビ系とバクテリア系の使い分けが必要です。

また、速効+予防薬で最近お勧めしているのは、
住友化学園芸の「ベニカ×ファインスプレー」です。
殺虫・殺菌剤で、株や蕾に直接噴霧し、効果が約1ヶ月持続します。

同じ薬剤を何年も使っていると、耐性が出来るので注意が必要です。
また、薬剤は新しい商品の方が、改良されていると思います。
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(2018.2.1)